シアBとシアAのかみ合いを浅くしたい。しかしできれば削りたくない……というのが前回まで。
実はシアには一切手を加えずに、かみ合いを浅くする方法がある。シアBを、あらかじめシアAとギリギリで噛み合うところまで回転させておけば良いのだ。シアBには、(いままでの図と同様に銃口左向きで見た場合に)もともと反時計回りに回転させるような形でバネで力が加えられているが、ある程度以上は回転しないようにストッパーが付けられている。フレームの一部が板状に張り出していてシアの回転をブロックしているのだ。
スペーサーを貼ることによりトリガープルは劇的に良くなる。この方法は手軽だし、スペーサーが何らかの要因で取れてしまったり削れたり厚みが減ってしまったりしても、シアのかかりが深くなりキレが悪くなるだけで、「シアがかからない、撃てない」という最悪の状況にはならない。
だが完璧とはいえない。外からの微調整ができないからだ。
セカンダリレバーを外しただけの状態と比べれば雲泥の差とはいえ、やはりセカンド・ステージで「ズルズルッ」とシアが擦れる感触は残っている。「完璧、もう十分」といえるトリガープルには程遠い。それにシアの材質が亜鉛ダイキャストである以上、こんなギリギリの噛み合いで何百発も撃っていれば、摩耗したり変形したりするのは避けられない。いつでも外部からシアの噛み合いを微調整できる形になっていないと不安だ。
ならどうすれば良いのか……?
ここでTMVさんから電話がかかってきた。「良い方法を思いついたぜ! これなら完璧だ!」
実はここまでの手順も、TMVさんと電話のやりとりやメールで画像を送り合ったりして、あーでもないこーでもないと試行錯誤しながらたどり着いたものである。どう考えてもシア調整用のネジなど追加する余地のないスペースに、外部からの微調整を可能としてしまうその方法とはいったいどんなものなのか……! 次回、「APS-3・トリガーのカスタム」最終回に続く。
更新は明日の予定。