ガスブロ精度UP・お手軽カスタム

明日の土曜日は「ピンポイントシューティング」および「ひたすらブルズアイ」の開催日です。公式練習会の前日ってことで参加しやすいのかしにくいのかわかんない日程ですが、どうぞよろしくです。

「ひたすらブルズアイ」は、例によってガスブローバック限定とAPS競技銃OKの両方をやります。ガスブロ限定ではここ何回か、ちょっと空気読まない頑張りすぎな点数を出してしまって、もしかしたらドン引きとかされてたらどうしようと不安だったりします……いや、そんなことないですよね、みなさん次こそはイケガミを倒してやると燃えてらっしゃいますよね!

私がガスブロ限定ひたブルで使っているのは、東京マルイのハイキャパをベースにフリーダム・アートのカスタムパーツ類てんこ盛りにした、いわば「マルヤマスペシャル」です。レールシャーシやトリガー、ネジ類、そしてスライドはハイキャパ5.1用のものを少し切り詰めて4.3サイズにして組み込んであります。バレルはタニオ・コバ製のツイストバレル。ハイキャパ用としては最も長い6インチ物で、コンペンセイターの先っぽギリギリまでバレル長があります。

精度UP要素としては、バレルの交換とレールシャーシによるインナーバレル先端での固定が目を引きますが、実は一番のキモになっているのはインナーバレル根本の固定方法だったりします。特別な加工とか工具を使ったりとかはしていない、誰でも簡単にできるお手軽加工なのですが、「東京マルイ製のガスブロで、明日参加するマッチで、とにかく少しでも良い精度が欲しい」という場合にはオススメできるカスタムだと思います。

ですので今回はそのカスタム手順をお届けします。

分解

大丈夫だとは思いますが、まずは分解手順から。スライドを少し引いてミゾとスライドストップの位置を合わせてスライドストップを抜きます。ノーマルだと簡単に抜けますが、このカスタムをしたものだとがっちりと食いついていてなかなか抜けません(詳しくは後述)。エジェクションポートから指を入れてスライドストップを内側から押し出すようにして抜きます。
スライドストップを外した後、スライドとバレルをまとめて前方に抜き出します。※コンペンセイター型のバレル先端押さえ金具は既に外してあります
リコイルスプリングガイド、リコイルスプリング、プラグ、そしてバレルなどが複雑に絡み合っていますが、特にネジを外したりせずに簡単に分解できます。
まずプラグを、リコイルスプリングを縮めながら図のように引っ張って抜き取り……
リコイルスプリングガイドごと外します。
すると、インナーバレルとアウターバレルをまとめてスライド前方から抜き取れるようになります。
インナーバレルとアウターバレルは、ちょっと知恵の輪っぽく組み合わさっていてまっすぐ引っ張るだけじゃ外れません。※なんか汚いのには理由があります。後述。
図のように一度少しひねってから引っ張ることで、インナーバレルをアウターバレルから外すことができます。とりあえず分解はここまで。

インナーバレルとシャーシの結合

東京マルイのハイキャパは、外から見ている限りでは実銃と同様にブローバックと同時にバレルの固定が解けて、銃口が斜め上を向くような感じで「ティルト」するショートリコイルの仕組みを完全に再現しているように見えます。ですが、実はブローバック時に動いているのはアウターバレルだけで、インナーバレルはフレームにシッカリと固定されたままなのです。
 

インナーバレルだけをフレームに取り付けてみる。ブローバックしてアウターバレルが動いても、インナーバレルはこの状態で動きません。

ただ、固定されているとはいってもネジなどで締め付けてあるわけじゃなく、「ミゾにスライドさせてはめ込んでから、横からスライドストップの軸で抜けないように抑えている」だけ。どうしても少しのガタがあります。バレルの根本部分のガタですから、どうしてもここは命中精度に影響しますので、なんとかして固定しておきたいところです。

穴を開けてネジを切って、トリガーガードの内側からネジで締め付けてやるというやり方もありますが、もっと簡単な方法があります。木工用ボンドを使う方法です。
 

どこのご家庭にも一つくらいは木工用ボンドが転がっているんじゃないでしょうか。もし1個もなくても、あるいは「あるんだけれど固まってて使えない」状態だったとしても、100円ショップに行けば小さめのやつが売っています。※写真はコニシのWebサイトより引用。
フレームとインナーバレルの、それぞれ噛み合う部分に木工用ボンドをてんこ盛りにします。少しくらいはみ出たりしても作動に影響がある場所じゃないので、思い切ってやっちゃいましょう。
この状態で組み上げて、一晩くらい放置してボンドが乾けば、理想的な位置でインナーバレル根本が固定されているという寸法です。忘れちゃいけないのが、ちゃんとスライドストップを差し込んでおくこと。実銃のM1911シリーズでも、実はスライドストップ軸は精度を担う最も重要なパーツだったりするそうです。

接着しちゃったら、分解する時に困るのでは? はい、確かに少し困ります。けれど、所詮は木工用ボンドですから、力を入れて引っ張ればベリベリと剥がれます。分解する用事があるときはそうやって剥がしてしまって、組み立てるときはまたボンドを付けてやれば済む話です。……もっとも、ホップ調整が気軽にできなくなるのはけっこう大きな欠点ですが。

どっか削ったり穴開けたり、新しいパーツを作ったりすることなく、どこのご家庭にもあるありふれた接着剤を少しだけ流し込んでやることで、けっこう劇的な精度アップをします。お試しあれ。目指せ「ひたブル」のシリーズ180点台!

池上ヒロシ

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池上ヒロシ

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