公式発表では、来場者人数は「4000人を超える」となっています。これ、掛け値なしの数字です。大成功といってよかったんじゃないかと思います。今回、戦国自衛隊関連での特集記事で縁ができた関係で出展していただいた陸上自衛隊の広報さんが、「だいたいこの程度あれば十分に足りるだろうと思って持ってきたグッズ類が、昼過ぎには全部無くなってしまった」と驚かれていました。こういったイベントに出展することはよくあるけれど、こんなに大勢が熱心に見にきてくれることは珍しいのだとか。
今回のイベントの特徴は2つ、「他業種とのコラボ」と、「体験型のスペース」に力を入れたというところがあります。アウトドアグッズメーカーによる展示やオンラインゲームの体験スペース、アニメの声優さんやアイドルな方のステージイベント、リイド社さんによる「戦国自衛隊」の原画展、陸上自衛隊の広報さんによるグッズ販売など、これまでにはあまりやってなかった分野だと思います。そして体験スペースとしては、シューティングレンジが各種取り揃えて全部で6箇所もあり、それを全部周るだけでも開場時間を何割か使っちゃうくらいのレベルです。
10mシューティングレンジ
ハンドガン体験シューティングレンジ
TOP排莢式M4専用体験レンジ
10才以上用エアガン専用体験レンジ
カウボーイシューティング体験スペース
ファストドロウ体験スペース
我が社(スリーピングホーク)は今回のイベントでは企画段階から関わってまして、当日は本部スタッフの他、10mレンジ、ハンドガン体験レンジ、10才以上用レンジの3箇所を担当しました。私はほとんどハンドガン体験レンジに詰めっぱなしで他のところを見て回る余裕がなかったのですが、見える範囲でもかなり盛況っぷりが伺えました。なにより行き交うお客さんの表情がみな明るい! 無料でこれだけ撃ちまくれるとなれば、そりゃ私がお客さんだったとしたら表情も緩むってもんです。
シューティングレンジは、エアガンもBB弾もガスもメーカーさんによる提供のものです。10mレンジはメーカー毎に時間を区切る形、ハンドガン体験は提供していただいたエアガンを全部ならべていつでも自由に撃っていただいてOKという形です。提供していただいたハンドガンは下記の通り(敬称略・順不同)。
東京マルイ:ガスブローバックM9(ブラック)
東京マルイ:ガスブローバックM9(シルバー)
クラウンモデル:エアコッキングM29
KTW:フリントロックピストル
タナカ:M40センチニアル
ハートフォード:二十六年式拳銃
ウエスタンアームズ:DESERT EAGLE 1911
ウエスタンアームズ:M9
市場のシェア的には東京マルイ製品が一番人気になるかと思いきや、「これ撃ちたい」という指名はウエスタンアームズとKTW、そしてガスリボルバーの2機種に集中しました。ウエスタンアームズではガバの回転率が高い! 見た目が普通のガバなのにスライドにでっかく「デザートイーグル」とか描いてあってなにコレ?な感じの銃です。最近新製品のフォローをしてなかったので私も初見だったのですが、想像で「マグナムリサーチが作っている1911クローンだと思いますよ」とかテキトーぶっこいて説明してたんですが、家に帰って調べてみたら案の定というか、まさにその通りで、あーよかった嘘付きにならなくて!
あとはKTWのフリントロックピストルですね。あまり店頭やサバイバルゲームフィールドでは見かけない製品なので、「なにコレ、撃たせて!」って思われるお客さんが多かったのかも。見た目は割り切った作りで、遠くから見ればともかく近づいてみれば子供向け玩具レベルだったりするんですが実射性能がやたらと高い! ハンマーを起こすのにそれほど強い力を必要としないわりにパワーがそこそこ高く、サイトがついてないくせに命中精度がやたらと高く、しかも装弾数は12発と実銃の12倍! 実はエアガンとして極めてスグレモノだということが撃ってみて分かる製品なんですね。ハンドガン体験レンジはちょうどKTWのブースのおとなりだったこともあって、試射したあとKTWブースに直行してお買い求めになったお客さんも多かったようです。
東京マルイとウエスタンアームズのガスブロM9を同条件で撃ち比べることができるってのも、実はなかなか貴重な体験。ABS製の軽いスライドがキビキビとシャープに動く東京マルイM9と、HW製で手に持つとズッシリ、撃ってみればドッカンドッカンと重いリコイルを感じるWA製M9の違いが、誰でもすぐに分かるレベルで比較できて、これはこれで面白かったんじゃないかと。
今回のイベント、安売りという点ではそれほど「すごい」ものじゃなかったと思います。もちろんショップさんのブースにはいくつか思い切って値段を下げた中古品や在庫品が並んでいるところもあるのですが、そういうのがズラーっと軒を連ねてどれを買おうか迷うレベルというほどではありませんでした。「すごい」のは安売りではなく、メーカー自らによる製品紹介や、ハンドガン体験レンジ・10mシューティングレンジを含めた体験スペースでの「実体験」でしょう。クラフトアップルさんところでは社長自ら、開場からずーっとお客さん相手に熱弁を振るわれていましたし、タナカさんところでも大勢のお客さんがスタッフを取り囲んでお話に聞き入っている様子がそこかしこにありました。はるばる遠くから来ていただいたKTWさんはもう終始黒山の人だかりでしたし、見に行く暇が無かったのですがTOPさんやウエスタンアームズさんも盛況だったと聞きます。
エアガンを安く買いたいってだけならネット通販でいくらでも安いところがあります。けれど、実際にいろいろ撃ち比べたいとか、「中の人」に製品についての話を聞いてみたいとか、そういうのはネットじゃ無理です。実際に足を運ぶ価値があるイベントにするためには、そういった体験型のスペースをどれだけ充実させられるかにかかっているのだってことが、今回のイベントの成功で出展者の皆さんにも実感していただけたんじゃないかと思います。次回、そしてまたその次の「ASGKフェスティバル」は今回よりももっと体験スペースを充実させようという話になってくるかもしれません。
今後のASGKフェスティバルにご期待ください!