デジタル射撃は、単なる射撃シミュレーターとしてだけでなく射撃解析装置としての能力も持っていた。撃発前後の銃口の動きを記録して後から見返すことが可能なので、「なぜ外したのか」「どこに気をつければいいのか」が一目瞭然なのだ。指導者にとってはとても有り難い存在だったのだが、生産が中止となってしまい、現在は既に生産されたものを大事に使い続けるしかない状態になってしまっている。当然、新規で購入することなんか不可能だ。
その後継機種を選ばなければならない……という意気込みだけは既に日本ライフル射撃協会のWebサイトで発表されていたが、このたび具体的な選定についての要項が掲載された。なんでも、「後継機種への採用を希望される方は、申請書とサンプル機材一式を協会事務局まで送れ」とのこと。
iQの公式サイトを見る限りでは十分にエアピストル競技を代替しうるだけの精度を実現しているという内容が誇らしげに記載されている。――まあ、それと同時にちょっとした「揉め事」も継続中だということも読み取れるのだが――日本での販売についての法的な問題(つまり、簡単な改造で弾を発射できるようになったりしないという安全対策)もクリア済との情報も入ってきている。
なら、なんも問題はないじゃないかとも思われるのだけれど、いちおうタテマエというかポーズとして「一般公募」という形を取らないとならなかったってことなのかな。
後継機種の発表は、ライフル協会によれば「平成27年3月31日まで」に行われるとのこと。西暦に直すと2015年になる。2020年の東京オリンピックではエアピストル競技を全部それに代替する……くらいのことを考えているのかもしれない。何に決まるにせよ、さっさと決めてもらって今のどっちつかずな状態から早く抜けだしてもらいたいものだ。