Categories: 実銃射撃

標的を再利用するシール

エアピストルの標的は、高い。「ただの紙」にしてはかなり物凄い値段がする。長瀞射撃場での販売価格だと10枚265円(1枚あたり26.5円)、ライフルショップエニスでは250枚3,000円(1枚あたり12円)、國友銃砲火薬店でも250枚1,750円(1枚あたり7円)だ。ライフルのより大きいからしょうがないとはいえ、日常的に何十枚と消費してしまうのはけっこう躊躇してしまう価格になる。

というわけで、お金を節約したいAPシューターは試合のたびに使用済のターゲットを貰ってきて、穴があいた場所に黒いシールを貼って再利用している。全国大会だと1発撃ちこみだから60枚、地方大会で2発撃ちこみでも30枚のターゲットが参加賞がわりにもらえるわけで、参加費のもとを取るまでは行かないけれど少しは足しになってくれる。

黒いシールは、一般に「ちこんシール」って呼ばれてる。意味から考えておそらく「治痕シール」と書くんじゃなかろうかと思う。専用のそういうシールが売られてるわけじゃなく、文房具として販売されているシールを使わせてもらってる人が多いようだ。私もその1人。

今回はその「治痕シール」について。

使用済の的というのはこんな感じになっている。これは東京都大会などのいわゆる地方大会(グレードがそんな高くない大会)での、2発撃ちこみのときの的だ。エアピストルの弾の直径は4.5mm。だからこの穴の大きさも、理屈では4.5mmってことになる。

なら、それよりも大きなシールさえ買えば問題ないのかというと、案外そうでもない。穴の大きさってのはどうしてもその穴を開けた弾よりも少しだけ大きくなるからだ。

ここに、2種類のシールがある。左はエーワンのカラーラベル黒・5mm径。右はニチバンのマイタックラベル黒・8mm径。前者はAmazon価格で294円、後者は同じくAmazon価格で212円(両方とも関東なら配送料無料)となっている。

直径5mmなら、4.5mmの弾で開けた穴なら十分に塞げるだろうと思って最初は左のシールを買ってみたのだが……。
左が5mm径のシール、右が8mm径のシールで穴を塞いでみたところ。見ての通り、5mm径はかろうじてギリギリで穴を塞ぐことはできるものの、少しだけ切れ目がはみ出してしまう。位置合わせもシビアだ。

8mm径は十分に余裕をもって穴をふさぐことができる。しかし今度は逆に余裕がありすぎて点数の境目になる白い線などもかなりの範囲、覆い隠してしまうという難点がある。
5mmと8mmの中間の大きさのシールがあればちょうどいいのだけれど、どうやら文房具の世界ではそういうものは存在しないようだ。

どっちがおすすめ?と問われたら、まあ真っ当な答えは「8mmのほうがいいよ」ってことになるんだろう。白い線が見えなくなるとはいえ、治痕シールを貼った的を使って厳密な点取りをするわけでもないし。一袋に入っているシールの数は、5mmシールが1800個、8mmシールが1050個と、圧倒的に5mmの方が多く、値段がほとんど変わらないことを考えると5mmシールのほうが「お得」ってことになるわけだけれど、どうせ1000個もあればかなりの期間、買い足しをしないで済むわけだし(1発撃ちこみの大会でも16試合分、年に4回大会に出たとしたら4年分!)、1000個も1800個もたいして変わらない。

ただ、5mm径のシールの、ちょうど標的の穴にピッタリとハマる感じは、なんかシール貼ってて楽しくなってくるんだよね……。

池上ヒロシ

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池上ヒロシ

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