左はエアピストルのターゲット。新品ではなくて使用済のものだ。再利用するために弾痕のところに黒シールを貼ってある。中心の二重丸が10点で(内側の一番小さい円がインナー10、いわゆる「X」に相当する)、7点のところまで黒丸になっている。
けれどなかなかそうはいかない。目をつぶって身体の感覚を「いつもどおり」にしてから目を開けると、たいていの場合は右か左に大きくサイトがズレているものだ。その状態から、足の位置を動かさずに腕だけ動かしてサイトをターゲットの中心まで持って行ってから撃っても、あんまり良い成績にはならない。「力で無理やり自然狙点から動かした」状態で撃っているからだ。
だから、自然狙点がターゲットの中心に来るように足の位置などを動かして調整してから撃ち始める。例えばこの図のように、「的紙の半分くらい左にズレている時」は、左足の位置をどのくらい前に動かせば良いのかというと……
なんか、直感的にはもっと大きい数字になるんじゃないだろうか、って思うAPシューターも多いかもしれない。実際、自然狙点が的紙の端っこを指してたくらいだったら、足の位置をセンチ単位で動かしたくなるものだが、厳密な計算結果はこのとおり。たった2.6mmで十分ってことになる。1センチ(10mm)も動かしちゃったら明らかに動かし過ぎで、今度は自然狙点が的紙の反対側の遥か彼方に移動してしまい、そこからさらに戻すのにまた足を動かして…の悪循環に陥ってしまう。
簡単な操作で、0.1mm単位で靴底が前後にスライドするような靴があったら射撃用品としては大ヒット間違いなしかも? まあ、レギュレーション違反確実だけど。