エアピストルを所持できてから何度も参加しているんですが、いまだチャンピオンになれたことがありません。そこそこ惜しい所までいけた年もあれば、全く箸にも棒にもかからなかった年もあります。昨年なんかファイナルにも残れませんでした。
今年は「ひたすらブルズアイ」のテストマッチやらなんやらでピストル撃つ機会も多かったりと、それなりに練習もしてたしそこそこいけるんじゃないかと思ってたのですが。本戦はシリーズごとの浮き沈みが激しかったもののなんとか4位通過、トップと9点差という「こっちが絶好調で向こうが2回ほどミスしてくれればなんとか」という点差だったのですが、逆にこっちが3回も大ミスをしてしまって2人にごぼう抜きされて6位に後退という屈辱的な結果に。「ファイナル男」としての面目丸つぶれです。くそー。
年に一回、東京中のエアピストル撃ちが集まる場ということですから、せっかくなので12月2日に赤羽フロンティアにて開催予定の「ひたすらブルズアイ」のチラシを作って持ち込み、広報もしてきました。紙だけだと伝わりづらいんで、APS-3(玩具銃の方ね)本体も持ち込みました。玩具銃というと軍用のライフルやハンドガンばかりというイメージばかりが先行しますが、こういう競技専用銃なんてものも作られているのだということ、けっこう性能も(距離こそ限定されますが)ちゃんとしているということ、値段はAPS-3の場合は2~3万円と玩具銃としては高いが、実銃のAPに比べたらサイト一個、シアの修理費に比べたら2丁は買えるくらいの値段くらいしかしないことなどをアピール、けっこう興味を持ってもらえました。一人でもいらしていただけると嬉しいのですけれど……。
ところで。
今回の東京都選手権では、ひととおり競技が終わったあとに「来年から採用される予定の新しいルールでのファイナル」が試験的に行われました。もちろん、順位とは関係ない単なる練習というかお遊びというか、オプションで行われるものです。
ここで「ファイナルとは何か」ってことを念のため説明。
実銃の試合は、まず数十発を撃った得点で順位を決める「本戦」と、その上位数名で一斉に一発ずつ撃って優勝を決める「ファイナル」の2つにわかれています(大会の規模によっては、ファイナルは行われない場合もあります)。最終的な順位は、本戦の点数にファイナルで撃った点数を合計して決められます。
しかし、ISSF(国際射撃連盟)の公式ルールが変わったことに合わせて、来年以降は大きくルールが変わります。本戦が終わってファイナル出場者が決まったら、本戦の点数は全部リセットされてしまい、ファイナルで撃った点数だけで順位が決まります。圧倒的な点差で本戦でトップになった人も、そこから大差を付けられてギリギリで8位に滑り込んだ人も、スタートラインが同じになるということです。「予選の結果がどうであろうとも、ファイナルに出場した時点でスタートラインが同じになるのが、他のスポーツではスタンダードである。射撃だけ別の形にしなければならないという合理的な理由はない」というのが、このルールに変更された理由なのだそうです。
ファイナルの形式自体も大きく変わります。これまでのファイナルは、75秒の制限時間で1発を撃ち、それを10回繰り返します。その得点は0.1点刻みで採点され、合計点が本戦に加算されるという形です。ですが新しいファイナルは、まず6発だけを撃って採点し、それを基準の点とします。そのあとは「75秒の制限時間で1発」というのを2回行い、基準点に加算して、最下位の人が一人ずつ脱落していくという形になります。
もっとも早く終る人は、基準点の6発とそれに続く2発の8発を撃っただけでファイナルを終えることになります。本戦出場者が8人の場合、「メダル確定者」が決まるまで5人が脱落する必要がありますから、6発+2発×5回で16発かかります。そこからさらに優勝が決まるまでにはさらに4発。同点となった場合はもう一度撃つことになりますから、実際にはもっと撃つ数が増えるかもしれません。
これ、実際にやってみると、想像以上にキツいです。
実力差があるのだから結局は本戦順位どおりになるだろうとおもいきや、基準点の時点で差をつけてトップになった人が、そのあとでミスショットをして順位を落として行ったり、逆にミスをして順位を落とした人が、そのあとは盛り返して最下位脱落を逃れ続け、気がついたら1位・2位決定戦まで生き残ってたり。人間の心理からくるものなのか、撃てば撃つほど点差が縮まっていく傾向があります。
私の場合。最初の6発(基準点)の時点ではトップだったのですが、そのあと8点を連発したり7点を撃ったりでどんどん順位を落とすことに。残り4人の時点で最下位、ここで盛り返さないと脱落するということで超集中して撃った弾が10.7に入り、一気にトップになって挽回。2位に1.8点差をつけてのトップの状態で残り2人、大きな大会だったら「金か、銀か」が決まる状況を迎えました。
「2発を撃って1.8点を逆転されなければ勝てる」という状態だったのですが、今度は逆に先方が10.7を撃って一気に0.4点差まで詰められます。最後の1発、私が撃った弾は9点台のちょっといいところに当たり、先方が撃った弾は10点ギリギリくらいに当たりました。ちょうどその差が0.5点かそこらです。超ギリギリです。採点の結果を息を呑んで待ちます……が、結果、先方が10.1、私が9.5で0.6点差。0.2点逆転されて私は2位となりました……。
終わってみたら、もう立てない。足がガクガクになってて歩くのもままならない状態です。つ、疲れた……。見てる側は大いに盛り上がってましたが(そりゃ、2発撃つたびに誰か一人ずつ消えて行くわけですから)、撃ってる側はたまったもんじゃないです。ただ、いつもどおり集中して撃てばいいだろと言われても、こういろいろと状況がややこしいことになると、構えて狙ってる時にも頭ン中で余計なことがぐるぐるぐるぐるとまわって、引けるはずのところでトリガーが引けなくて、けれど時間制限もあるし撃ち直しをするべきかこのまま撃っちゃうべきかと、また頭ン中でぐるぐるぐるぐる。
これ、本気で今後、ファイナルをこの形式にしていくつもりなんでしょうか。いや、もう公式発表されてるわけですから、もちろんこの形式になるのでしょうけれど、対応するためにはそれなりにファイナル対策みたいな練習もしていかないと厳しいんじゃないかと思います。あと、「見ていて盛り上がる」ということでは文句なしに盛り上がりますから、参加人数があまり多くない大会なら、本戦すっとばしてファイナルだけで順位を決めたりとかしても面白いかもしれません。