グリップのデザインも相当実銃のエアピストルを研究したようで、かなり良いものになっている。なんといっても良いのが、握ったときの親指のほぼ真上に銃身の軸が来ており、それによりサイトの位置が非常に低くなっていることだ。グランドマスターではグリップの上にシリンダー&ピストンがあり、サイトはさらにその上に載る形になっていたため、「握った位置のはるか上に銃身とサイトがある」という感覚で、不安定なことこの上なかったのに比べれば素晴らしい進化だ。
グリップのデザインについて、「かなり良いものになっている」と微妙な書き方をしたのには理由がある。トリガーを引くために人差し指に力を入れると、銃が左に傾くような感覚を感じる人がいるかもしれない。それは、下手なせいではない。グリップのデザインに問題があるのだ。
手のひらの、人差し指を動かすと同時に動く部分はどこか? 触れば分かるはずだ。その部分がグリップに触れないように、グリップを削り込んでいく必要がある。
これ以外はグリップは問題ない。パームレストを上下に動かせる範囲も広く、また調整後にネジを締めて固定するときも固定具がグリップ裏側に食い込んでガッチリと止まり、「締め付けていくとせっかく調整したパームレストが動いてしまう」というようなことがないようになっている。ここらへんは、さすがに競技銃を長く作ってきたメーカーだけのことはある。