この「五味醤油」、創業は明治元年。社名に醤油と付いてはいるのですが、実は醤油はここ30年くらい作っておらず、主な製品は味噌と麹とのことです。もちろんワイナリーではないのでワインは作っていません。けれど同じ発酵食品というよしみで(?)、ワインツーリズムにも深く関わっているのだとか。前日の夜に甲府で行われていた「ワインストリート」というイベントの旗振り役のような立場だったとの話です。
実は、味噌作りにはけっこう興味があったのです。以降は「もやしもん」の受け売りになってしまうのですが……。「味噌は日本人の食生活に深い関わりがあり、食事においておよそ欠かすことができない存在になっていると同時に、地域によってまるで違う特色を持ち、それがまたそれぞれの地域の食文化の特徴になっている発酵食品だ。全国各地の味噌作りを見て回ることは、ワイナリーをめぐるのと同じようにその土地々々の食文化の根幹を味わうのと同じ楽しみがある」のだとか。
日本の食文化を特徴づける発酵食品というと「醤油」が挙げられます。しかし醤油については千葉県産のものが日本中を――いや世界中を席巻し(キッコーマン一社で世界シェアの半分以上を占めてるのだとか)、地方色はほぼ消えてしまっているのが現状です。けれど味噌については地方独自の特色というものがまだまだ色濃く残っているところが面白いのです。
味噌は、大豆をベースに大豆、米、味噌などから作られた「麹」を加えて作られた発酵食品です。日本全国で広く消費されているのは米麹を使った「米みそ」ですが、山梨で作られ、広く使われているのは米麹と麦麹を両方使った「甲州みそ」。山梨県は山に囲まれた盆地のため平地が少なく、昔から米の生産量がそれほど多くないため、貴重な米を少しでも節約するために、米の裏作で採れる麦を使った味噌が昔から作られてきたのだとか。
五味醤油
http://yamagomiso.com/
所在地:山梨県甲府市城東1-15-10
電話:055-233-3661
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