APS-3・インプレッション(3)

操作は、実銃の競技用エアライフル/ピストルにより近づいたものとなっている。

まず、銃上部の「APS」というレリーフの入ったカバーを開け、その後にトリガーガード部分から前に伸びるコンプレスト・レバーを操作し、銃口下にあるシリンダーを使って空気を圧縮する。レバー操作が終わったら弾を装填し、カバーを閉じることによって発射準備が完了する。5発装填のマガジンが付属し、銃の右横に装着することで自動装填も可能だが、競技銃に慣れている人ならマガジンなど使わず、1発ずつ手で装填するほうがリズムが崩れなくて良いだろう。

実銃での競技経験がある人間がマガジンを使いたくない気持ちになるであろうと思われる理由はもう一つある。コンプレスト・レバーの操作は、開くときが吸気、閉じるときが圧縮という手順になっている。つまり開くのは軽々と行えるが、閉じるときに力を入れる必要がある。銃本体にレバーが付いているため、レバー操作の時にはどうしても銃口があちらこちらに向いてしまう。上や後ろには向けなくてもなんとかなるが、横に向けるなというのは無理だ。ほぼ真横に近いところにまで向いてしまう。弾が装填されたマガジンを取り付けられた銃をあちらこちらに向ける、という行為にどうしても抵抗感を覚えてしまう。弾を銃に入れるのは、発射準備が整い「さあ、これから銃口を標的に向けるぞ」という状態になってからにしたい。この気持ちは実銃経験者だったら分かって貰えるものと思う。

以上のように、弾の発射のために操作をしなければならない部分は二つある。両方とも良く磨き上げられた金属製で、エッジも落とされて丸くなっており、手が痛いとか切るとかいうことは起こらないと思う。が、練習で何百発も撃つために何百回も操作すれば、痛くなってくるかもしれない。まずカスタムするとしたら、このレバー類を大型化し操作しやすくする方向性ではないかと思う。とくにコンプレスト・レバーはもっと長くていい。簡単に延長できるエクステンション・パーツなどが発売されたら、そのパーツを作ったメーカーは「良く分かってる」メーカーだと考えて良いだろう。実際にAPS-3を手にして、「手が痛くなるほどに」何発も撃ち込んで問題点を探した証拠だからだ。

池上ヒロシ

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