発行:学研パブリッシング
発売日:2012年6月19日
定価:1,995円(税込)
ようやく発売になったか~。と感慨もひとしおです。なにせここ数ヶ月、トイガンJPの更新も後回しにして、すっかりこの本にかかりっきりになってましたから。
世界の銃の歴史を、DVD収録の動画と、冊子の文章・写真で解説するものです。動画の方は月刊GunDVDでおなじみの中井キャプテン担当、冊子の文章も「本文」にあたる場所は大御所先生の書き下ろしなので私(というか我が社)が担当したのは編集作業、つまり写真をどの大きさでどこに貼って、どんなキャプションを付けて、ここらへんはグラフで解説して…といった部分なわけですが、学研さんは裁量権を多めに持たせてくれる出版社なので、かなりやりがいのある仕事になりました。
手前味噌になりますが、けっこう良い出来になってると思います。手にとってパラパラッとめくるだけで、「お、おお? これは他の本とは違う!」と思えるくらいの本にはなってると自負してます。
「歴史編」と題してるだけあって、銃の歴史を根本のところまで遡って解説してます。普通、この手の本で出てくる「古い銃」なんてのは二次戦とか一次戦とか、古くてもせいぜい日露戦争かそこらまでですが、この本だとそこらへんの時代は「近代」のカテゴリーになります。ならフリントロック式、あるいは火縄銃? いやいや、もっと遡って、タッチホール式の銃から解説を始めています(みなさんに馴染みのあるところというと、「もののけ姫」に出てきたアレみたいなヤツというと通じるでしょうか)。
マッチロック(火縄)、ホイールロック、フリントロックと続き、先込め式から元込め式に変わる際の紆余曲折を経て、連発式、自動式へと変化していく過程を、豊富な写真やイラストを使って解説しています。ここらへんの古い銃だと現物が残っていてももう博物館モノになっているので、写真使用については博物館からの図版貸し出し許可手続きが必要になったりと、「いつもの本」とはずいぶんと勝手が違いましたが、楽しかったですね。
日本にある古い銃の収集・研究に力を入れている機関というと、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館があります。2006年に「歴史のなかの鉄炮伝来」という特別展を開催したことがありまして、目からうろこな感じの研究発表や国宝レベルの展示なんかが目白押しで、あまりに面白かったんでギャラリートークではメモ片手に学芸員に張り付いて質問連発したり、フォーラムに参加したりと通いつめたものですが、その時の資料がこれでもかってくらいに役に立ちました。また、写真についても歴博さんにはずいぶんとお世話になってます。「本邦初公開」に近い貴重な図版なんかもありますよ。
世界最初期の銃から最新のアサルトライフルまで、動画と書籍の両方で分かりやすく解説してくれる、学研「世界の銃 BOOK & DVD 歴史編