それにしても今年のゴールデンウィークは、土砂降りになったり雷雨になったり、かとおもいきやピーカンの陽気になったりと、なかなか予定が狂わされっぱなしでした。房総半島のほとんど先っぽにちかいところにある千倉ってところに行ってきたのですが、到着した日は暴風雨に近い状態で海は大荒れ、しかし次の日は朝から抜けるような青空で南国風景、しかし午後にはところによりにわか雨と、御多分にもれず天気に翻弄される2日間でした。甥や姪や従兄弟の子供が合計で5人、いや6人?とにかく大人数集まっててえらい騒ぎで。雨降ってりゃ家の中で戦隊モノやトランスフォーマーの玩具の取り合いで大騒ぎ、晴れてりゃ海岸で綺麗な貝の取り合いで大騒ぎ。やれやれ。子供育てるってな大変だあなぁ。
子供がいない気楽な身としては自分の趣味を優先させてもらいましょうということで、以前から話を聞いてた青木屋商店を訪れてみた。見た目はごくフツーの寂れた酒屋さんにしか見えない、古ぼけた木の引き戸をカラカラカラカラと開けると、店内にミッチリと詰まった大量のワインに圧倒されるという愉快なお店だ。ワインについて聞こうとしても店番しているおばちゃんは別に詳しいわけじゃないのだけれど、呼ばれて奥から出てくる息子さんがやたらめっぽうワインに詳しい。こんな感じのが欲しいって要望を言うと、候補となりそうなワインを数本、お店のあちこちから出してきてくれて、その一本一本について立て板に水の勢いで、味わい、原料となっているブドウ品種、特徴、生産者の意気込み、これまで取ってきた賞と次から次へと説明してくれる。
「マディラワインかポートワイン、あるいはそんな感じの酒精強化ワイン、でなければアイスワインか貴腐ワインの安いやつ」、「そこまで甘くないけど、ワインの渋みや酸味が苦手な人でもジュースみたいに飲めそうな白ワイン」、「樽が浅く効いた赤で、バーベキューに合いそうなやつ」、「どれも予算は千円ちょっとくらい」というけっこう無茶な要望だったのに、どれも候補を数本、いやな顔一つしないで出してくれた。後で飲んでみても、どれも「これは当たりだな」って言えるワインだったところもいい。というか、こんなところ(失礼!)でアイスワインが売ってるとか思わないでしょ普通。
さすがに試飲は無しだけれど(笑)、調べてみると館山にある飲食店なんかを使ってワイン会(それも格安!)を定期的に開いたりしてるそうな。世の中には意外なところに意外な店があるもんだなあと、改めて思い知りました。