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エアピストル用カスタムグリップを売ります

エアピストル用のグリップとして評価が高いRINK gripというのがある。基本的にはSMLの3サイズ程度しかない純正グリップと比べてサイズも豊富な上に、手の幅と指の長さのバランスだとかそういう微妙なところにも対応していること、ヒールレストの角度の微調整が簡単に行えることなどいくつかの利点があり、多くのシューターに愛用されているそうだ。

公式サイトを見ると、日本からでもサイズを指定して注文することが可能なようだ。ちょうどユーロが安くなってたときだったこともあって(というか円が高すぎなんだけれど)、それほど勇気が必要になるほどの値段でもなかったので思い切って買ってみた。注文してから届くまでは1ヶ月以上もかかったし、いちおう「銃の部品」ってことになるので税関で止められたりとかいろいろあったけれど無事に入手できた。日本語でRINK gripについて詳しく解説してるページって無かったと思うので、せっかくだからレポートしてみたいと思う。

あと、このグリップ、買ったはいいけれどサイズが合わなかったのでお譲りします。詳細はこの記事の一番下で。
※4月2日追記…無事、引き取り手が見つかりました。ありがとうございます。

RINK gripでは、エアピストル用だけでなく、フリーピストル用とかスポーツピストル用、はてはアメリカNRAで行われているブルズアイ競技用としてガバメントやCZ75用の競技グリップまでいろいろと作っている。いくつかのオプションを選んで注文するセミオーダー式の「スタンダード」と、実際に手の大きさや好みに合わせて「世界でただひとつ」のグリップを削り出す「カスタムメイド」の2種類があるが、スタンダードの方でも純正グリップに比べればかなり細かい指定ができる。

純正のグリップと比べた時の一番大きな違いは、ヒールレストの調整方法だ。

純正グリップでは、「ネジを緩めて、位置を合わせて、位置が合ったらまたネジを締める」というやりかたになる。ヒールレストは手を締め付けるくらいにキツくしたいものだから、調整する時はどうしても二人がかりでとりかからないとならない。グリップを握る手、ヒールレストの位置を合わせる手、そしてネジを締める手と最低でも3本の手が必要になるからだ。そのため、その日の手のむくみ具合なんかに合わせて微調整というのがなかなか難しかった。

RINK gripでは、ヒールレストの下にある2本のボルトを六角レンチを使って締めたり緩めたりするだけでヒールレストの上下位置のみならず、微妙な角度までもが調節できる。右手はグリップを握ったまま、左手で六角レンチを使って六角ボルトを回すだけでヒールレストの締まり具合を微調節できるのは便利だ。それこそ競技開始前とか競技中(はルール上大丈夫なのかな?)ですら調整することができる。

ヒールレストの全体はグリップの左側面からボルトで止められている。だから調節方法としてはまずこのボルトを緩めて、しかるのちにグリップ底面から六角レンチを使ってヒールレスト位置や角度を調節、決まったらまた左側面のボルトを締め込むという手順になる。

「スタンダード」での発注方法は、まず使用する銃の機種を指定、その上で以下の6項目を指定する。

 

1.ウォルナットか、ラミネートか

純正と同じような色、質感をしたウォルナット製グリップと、カラフルに染色されたラミネート材(合板)の2種類から選べる。値段はラミネートの方が17ユーロほど高い。私は今回は、せっかくなのでラミネートで頼んでみた。

 

2.サイズ

XXLからXXSまで全部で7種類のサイズが用意されている。サイズは、下の図で示した部分の長さで見当を付ける。
105mm以上:XXL
100~105mm:XL
95~100mm:L
90~95mm:M
85~90mm:S
80~85mm:XS
75~80mm:XXS
※私の場合、82mm程度だったのでXSを頼んでみたのだが、結果的には失敗だった。親指がキツくて入らなかったのだ…。

 

3.サイド

右か左を選ぶ。

 

4.フォーム

手のひらの中央が当たる部分に膨らみをもたせる(convex)か、平らな形(flat)にするかを選ぶ。普通の男性はconvex、手が小さかったり大きかったりする人はflatを選ぶ。

 

5.アングル

銃を真後ろから握るタイプの人か、(右利きの場合)右斜め後ろから握るタイプかによって、0度と7度を選択する。基本的には0度を選ぶのが「普通」だ。インラインスタンスかそれに近いスタンスで、効き目と利き腕が同じ場合は0度になる。効き目と利き腕が逆の場合、例えば右手で銃を持ってるのに左目でサイトを見る人とか、極端なオープンスタンス(身体が正面近くを向いていて銃をその前に突き出してるような撃ち方)の人なんかは7度のグリップを選ぶことになる。

 

6.ボリューム

純正グリップにはないオプションがこれだ。手の大きさに合わせて指が長い人だと、上下幅に合わせて選んだグリップでは指が回りきってしまって安定して握れない、といった弊害があった(私なんかはそれが顕著で、グリップにはかなり極端なパテ盛りをすることで太さを増している)。RINK gripではそういった手の形の違いに対応するために、普通の太さ(normal)と、厚みのあるタイプ(thick)の2通りが用意されている。

目安は、左図で「L」で示した長さ(中指の長さ)が、「B」で示した長さ(手のひらの幅)よりも長い場合はthickを選ぶといいということだ。私は余裕で手のひらの幅(82mm)よりも中指が長い(91mm)ので、間違いなくthickを選ぶことになる。

では、続いて細かい部分を見ていこう。
手のひらが当たる部分やヒールレストの滑り止めは、痛さを感じるくらいに鋭い。けっこうツルツルに近い状態だった純正グリップとはかなり違う。といっても滑り止めのシートが貼ってあったりするわけじゃなく、木の表面に特殊な加工をすることで滑りにくくしてあるだけだ。

指の「股」が入るところや、親指が収まるスペースには滑り止めは施されていない。けっこうツルツルに近い状態だ。手の上に回りこんで上から抑える部分の長さは、純正よりもけっこう短い。そのかわり、親指が入る部分がけっこう狭い。

moriniの純正グリップ(左)と比較してみたところ。純正だと手首ギリギリのところまでグリップが上に覆いかぶさっているが、RINK gripだと親指の付け根くらいまでしかないのが分かる。

XSサイズということで、グリップの下のほうが随分と余る感じになってしまっている。手の幅は問題ないのだけれど、親指を入れるスペースが私の手には小さすぎて、手を奥まで入れることができなかった。

Morini CM162EIは「エレクトリックトリガー」という独自のトリガーメカニズムを持っている。部品同士がこすれあって動く機械式トリガーではなく、スイッチのON/OFFによって電磁石が動きバルブを開放するというものだ。理論上、トリガーの「キレ」が最高レベルにまで良くなり、またメンテを少々サボっても機械的トラブルの心配が少ないという利点がある。

電池や電子部品はグリップの中に収納されている。ちょっと特殊な形をした電池を1個だけ使うものも初期には輸入されたようだが、現在日本国内で使われているMorini CM162EIは(ショートバージョンも含めて)単四電池を2つ使うタイプのものだけになっているはずだ。

電池BOXのフタはプラスチック製の四角いただの板。それを木ねじで止める。かなり味も素っ気もないというかアバウトというか安っぽいというか、純正に比べるとチープさを感じてしまう部分ではある。もちろんサイズはぴったりだし、実際に基盤や電池を収納してグリップを取り付ければ、問題なく射撃を行うことはできる。

ただ注意点としては、一度基盤を入れると取り出すのが凄い大変だということだ。途中で引っかかってしまってなかなか抜けない。

このグリップ、売ります

さて、このグリップ、既に何度か書いてあるとおり、私にはサイズが合いませんでした。返品ってわけにもいかないので、誰かにお譲りしたいと思います。

まっさらな新品ですし、18,000円ってところでどうでしょう。

実際に試してみたいという方は、射場で私に声をかけてください。とりあえず明日から石巻で開催される選手権には持っていきます。仕様は下記のとおりです。

Morini CM162EI用(ショート不可・単四電池2本仕様)。
カラーラミネート
サイズ:XS
サイド:右用
フォーム:convex
アングル:0度
ボリューム:thick
付属品:調整用六角レンチ、取り付け用六角ボルト、ステッカー、簡単な説明書
※4月2日追記…無事、引き取り手が見つかりました。ありがとうございます。

池上ヒロシ

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池上ヒロシ

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