Categories: 射撃のコツ

続・はじみつ(6)~銃を持たない方の手をどうするか

ピストル射撃は片手で撃つものだ。人間には基本的に二本の腕が付いているから、当然のことながら一本だけ腕が余ることになる。その腕(銃を持たない方の腕)は、射撃時にはどんな感じにしておくのがいいのか?

大きく分けて4種類ある。

  1. 腰に当てる
  2. 背中に回す
  3. ズボンのポケットに入れる
  4. 身体の前方(お腹側)に回す

このうち1.と2.は、過去には良く見られたが現在はまず見かけなくなった。「廃れた方法」といっていいだろう。国際試合などを見ていても現在はほとんどの選手が3.か4.のどちらかで撃っている。

射撃時には、身体のどこかに緊張した場所があったり、無理な力を入れている場所があったりするのはあまり好ましくない。全体的にリラックスして、筋力で銃を支えるのではなく骨の組み合わせで自然と銃が標的方向に向いているような形になるのが理想だ。左手を腰に当てたり背中に回したりするとどうしても力が入る。銃を持っている方の手ではないとはいっても、身体全体はどこかでつながっているのだから緊張はどうしても照準に影響を与えてしまう。

まるで左手が存在しないかのようにリラックスした状態を保つ方法として多くの選手が選んでいるのが、ポケットに入れたり、お腹のベルトに親指をひっかけたりして保持する方法というわけだ。

ちなみに、左手をどこにも置かずにぶらんと垂れ下がった状態にしておくのは良くないと言われている。腕というのは普段はほとんど気にしないが、実はけっこう重いので、どこかに置いて安定させておかないと身体全体が不安定になってしまうからだ。

さて、全6回でお届けしてきた「続・はじみつ」も今回で終わり。人によって千差万別で正解がない射撃フォームについての話だっただけに、ときおり話が迷走したり結論が出なかったりして、いろいろとすっきりしない感じの「講座」になってしまった点はどうかご勘弁を。「そこは違う」とか「俺はそうは思わない」とか、そういうご意見ご感想も大歓迎です。


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池上ヒロシ

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