Categories: 実銃射撃

グラデ塗装のひみつ

先日の日曜日(3/26)に、日本オリンピックミュージアムにて開催された日ラ主催のビーム体験会に、スタッフとして参加してきました。日ラ主催の体験会も今回で確か6回目、2022年度は今回で最後となります。2023年度は6月11日に朝霞市総合体育館にて、7月30日にオリンピックミュージアムにて開催が決まっています。基本、年に4回の頻度で開催していく予定とのことです。

この体験会、日ラ主催ならではのスゴイところは、本物のオリンピアン・パラリンピアンが参加して簡単にスピーチ(射撃の面白さとかコツとか)をしてくれたり、デモンストレーション射撃を披露してくれたり、体験中は各テーブルを回ってアドバイスしてくれたり、終了後は一緒に写真撮影に応じてくれたりとサービス満点なところです。こればっかは葛飾ライフルの体験会では真似できません……全日本チャンプで良ければいくらでも!(笑)

今回は、ピストルは堀水宏次郎さん、ライフル(パラリンピアン)は田口亜希さんです。堀水宏次郎さんは当ブログでも何度か名前や写真を掲載させていただいたことがあります。


体験会は1人あたりだいたい40分くらいですが、その毎回の枠の開始前にオリンピアン・パラリンピアンから簡単なスピーチがあります。


その後、体験会に使用するビームピストルを使って一発だけデモンストレーション射撃をするのですが……。

この体験会、標的までの距離が5mしかありません。ターゲットは普通に10m用のものが置いてありますので、黒丸がものすっごくでっかく見えるんですね。しかも座って撃つ参加者の皆さんに対応するためにターゲットの設置位置もかなり低めです。

勝手が違うということもあったのでしょう、「あの堀水さんともあろう方が」今回のデモンストレーション射撃(7回行われました)では、なんと一度も10点に入らないという驚きの結果に!

まあ、こんなこともあります。
サイト調整しようにも、開始となったらまずスピーチ、デモンストレーション、その次は各レーン回ってアドバイス、体験会の枠が終了したら参加者の皆さんと写真撮影、それが終了したらもう次の枠が始まるので息をつく間もなくスピーチに入らないとならないというハードスケジュールのため、試射してサイト調整する時間をとることがほとんどできないという厳しい事情もありました。

……ちなみにですね(こっそり)
体験会の各枠の最後には5発チャレンジといって、参加者の皆さん全員で5発だけファイナルっぽい形式で撃って、スコアを正面のスクリーンにプロジェクターで映し出して競うというイベントをやるのですが。

この日の最後の枠では、私が担当していたレーンは予約キャンセルで空きになっていまして(まあ、大雨でしたからキャンセルが数件あったのは仕方ないです)、参加者なしのまま5発チャレンジやるのもつまらんでしょうということで私が撃ったんですが。

最初の一発だけ下の9点撃っちゃいましたが、サイト調整して残り全部10点に入れて5発チャレンジ優勝しましたとも。まあ、距離が5mなので実質的に10点も倍の大きさになってはいるのですが、何故か最終枠の5発チャレンジは同じくキャンセルで開いてたライフルの方のレーンに田口亜希さんが入りましてライフルvsピストル対決になりまして、周りも盛り上げてくれますしプレッシャーかかって、いい練習になりました!

さて、長い前置きはここまでにしまして。

せっかく堀水さんとお話できる時間があるということで、ここぞというばかりに以前から聞いてみたいことを聞いてみました。

「堀水さんがお使いになってる銃ってすごいキレイなグラデーション塗装されてますけれど、アレってやっぱりステイヤーのスペシャルモデルだったりするんですか?」

せっかくオリンピアンとお話できる機会だというのに聞くのが銃の色のことってなんなんだよお前って感じですが、ほら私って根がやっぱりガンマニアなもので。すいません。


2016年3月・石巻にて開催された全日本選手権。堀水さんの銃は、独特のグラデーション塗装になっていて、とてもおしゃれです。

快くこの色の秘密を教えていただけたのですが、なんと。

「あれ、実は自分でやってるんです。塗装でもなんでもなくて、透明フィルムにグラデーションを印刷して、こうクルリって巻き付けてるんですよ」

ステイヤーはシンプルな銀色の銃が多いので、そのやり方でもキレイなグラデになってくれるとのこと。特注モデルってわけじゃなかったんですね。それどころかスプレー塗装ですらなく、印刷したフィルムを巻き付けてただけというのもびっくりです。そんなやり方が……!

あまりの衝撃に呆然としつつ、「それ、人に教えちゃっても大丈夫でしょうか?」って確認をとって(もちろんOKいただきました)、こうやってブログのネタにしているという次第です。

これってAPS-3とかにも応用可能なテクニックじゃないでしょうか。エアブラシとか特別な機材そろえて塗装するってのはハードル高いですし、そもそも精密なエアピストルにスプレー塗装とか、万が一バルブの動きとかに悪影響でたらどうしようって心理的なハードルも高いですし、それが「透明フィルムに印刷して貼り付けるだけ」ってのは、人と違うかっこよくておしゃれな銃を試合で使いたいって人には有用なテクニックになるんじゃないかと思います。

池上ヒロシ

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池上ヒロシ

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