先のリポートで、その使用銃について「原型を留めない感じでカスタムされた本気仕様」とか書きましたが、 いったいどんなものなのか? ちょっとだけですが写真を撮らせてもらいましたので、どんなカスタムをされているのか紹介しましょう。
基本は、東京マルイ製のガスブローバックG17に、フリーダムアートのグロックアキュコンプBを組み込んだもの。ベースとなっているG17は2009年末にカスタムラインとして発売されたフラットダークアースモデルだろうか。ハイグリップを阻害するとしか思えない「エクステンディド・サムレスト」とやらは外してあって、マガジンの着脱をやりやすくしてくれるマグウェルだけが残っているようだ。アキュコンプの向こう側に警告シールが残っているのが見える。なにか信念があって残してあるのか?と思いきや、つい先日スライドが割れてしまって新品に交換したばかりなのだとか。面倒で剥がしてないだけなのね…。
フリーダムアートのグロック用アキュコンプには、デザイン違いでA~Dまでの4種類が用意されている(Dには樹脂で作られたバリエーションがある)。実銃に本気使いしてデザインをリファインした「D」と、サバゲ向きにトゲトゲとかが付いたスパルタンな感じのデザインにした「C」は分かりやすいけれど「A」と「B」の違いはどうもよくわからない。横に開いてる穴が丸いか三角かの違いだけ? とにかくこれについてるのは「B」になる。
値段はどれもけっこうなもの。特に「D」の金属バージョンとなると3万超えとなり、そうそう気軽に買える値段じゃなくなってくる。しかしマルイグロックを使って「よく当たる銃」を作ろうとする場合、普通だったらものすごい苦労と試行錯誤の末になんとか辿りつける領域に、「パーツを買って、説明書どおりに組み込む」だけであっさりと到達できる、ほとんど反則級の性能を発揮するパーツでもある。ある意味で「フリーダムアート製パーツ」を象徴するのがアキュコンプといってもいいだろう。
ハイキャパ用のアキュコンプがフレームシャーシごと交換するものだったのに対し、グロック用アキュコンプはフレームにもともと付いているアクセサリー取り付け用のレールを使うもの。ハイキャパのフレームシャーシ交換はちょっとした外科手術めいた精密作業が要求されるのに比べ、スライドを外してバレルの交換ができる人なら誰でも簡単に組み込みができるグロック用アキュコンプは、値段の高さや発揮する性能の高さに見合わぬ「誰にでもオススメできるパーツ」といえるだろう。
パララックスはさすがにもっと遠距離に合わせてあるようで、5mの距離だと銃を固定していても、顔を動かしてドットをレンズの端から端まで動かすと、ドットがターゲットの上を動く。といってもそれほど派手に動くわけじゃなくせいぜい10点が9点ギリギリになる程度だ。レンズの径がそれほど大きくないのはスピードシューティングやサバイバルゲームでは「とっさにドットを見つけ出しにくい」という欠点になるかもしれないけれど、照準をつけるのに時間を使える精密射撃ならそれほど大きな問題にはならないばかりか、このようにパララックスのズレによる弊害を最小限に抑えてくれる効果もある。「ドットサイトは、径が小さく前後に長いほうが、安いコストで性能が高いものが作れる」と以前書いたのはそういう理由によるものだ。