射撃解析装置SCATTをAPS-3のグリップ底部に固定するためのアダプターを作りました。これを使うことで、APS-3でも実射の結果とトリガーを引く前後の照準の動きを見比べることが可能になりました。
SCATTは、実射または空撃ちをしたときの衝撃を検知することで「今、トリガーを引いた」と判断し、その前後の照準のブレとトリガーを引いたタイミングをPC上に軌跡として表示するものです。エアガンの空撃ちでも十分に作動するので、これまでもAPS-3にSCATTを取り付けて練習に活用していた方は多いんじゃないかと思います。
ただ、APS-3にSCATTを取り付けるとなるとコンプレストシリンダーの先端になるのですが、そこにSCATTが固定されているとコンプレストレバーを操作できない、つまりBB弾を撃てないという問題がありました。空撃ちだけならコンプレストレバーを操作する必要はないので問題ないのですが、実射とSCATTでの解析結果を両方とも見ることはできません。
コンプレストシリンダーの先端にSCATT Basicを固定したところ。空撃ちでの練習は何の問題もなくできますが、この状態ではコンプレストレバーを操作できないため実射はできませんでした。
とあるインサイダー情報により、SCATTを活用するAPSシューターが今後爆発的に増加することがほぼ確実になっています。射撃解析装置を使う利点の一つが、外れたのが自分のせいなのか銃のせいなのかがわかることですから――ほとんどの場合は前者なのですが――実際に弾を撃ちながら今の射撃はどうだったのかを確認したいという要望はますます高まってくると思われます。その要望に先んじてお応えするために、グリップ底部にSCATTを固定するためのアダプターを作りました。
SCATT Basicを取り付けたところです(USBケーブルは繋いでいません)。APS-3のパームレスト固定用ネジと、SCATTのマウントに付いている角度調整用ネジを使って固定しています。
こちらはMX-02を取り付けたところです。BasicとMX-02のマウントは同じ規格ですから同じように固定することができます。
真横から見たところです。ずいぶん上を向いているように見えますが、実はAPS-3のグリップ底部は9°ほど前下がりになっているので、このくらいの角度だとちょうど真正面を向く形になります。もちろん5mの距離でばっちりキャリブレーションできます。
取り付け方法です。まずSCATTを分解します――といってもマウントと角度調整ネジを本体から外すだけです。薄い金属板(固定板)は使用しません。
APS-3のパームレストを分解します。2本の六角ボルトを緩めるとグリップの中からパームレストナットが転がり落ちてきます。
パームレストナットが入っていた位置に、マウントアダプターを差し込みます。
マウントアダプターを挟み込むようにパームレストナットを取り付けます。いきなり最後まで締め付けるのではなく、まず軽く止まるところまで緩く締めます。
グリップを握ってパームレストの角度をちょうどよい感じになるように調節します。マウントアダプターはグリップにしっかり押し付けられた状態になるようにしてください。
パームレストの位置・角度が良い感じに決まったら、パームレストをしっかりと締め付けます。
この写真のように、マウントアダプターの矢印で示した場所がグリップ底部に隙間なく接していることを確認してください。隙間が空いてるようでしたらパームレストを緩めて奥まで押し込んでください。
SCATTのマウントを上写真のように差し込んで、穴の位置がぴったりと揃っていることを確認してから、角度調整ネジをねじ込んでいきます。
ねじ込むときに斜めになりやすい場所です。ネジがまっすぐに抵抗なくスルスルと回転して入っていかないようなら、無理せずに必ずやり直してください。
指ではこれ以上回らないところまでねじ込んだら、最後のひと回しだけプライヤーなどを使って締めこんでください。
★注意:本来は微妙な角度を調整するための、ピッチが細かい繊細なネジを、マウントの固定に使うという無茶をしています。通常のネジよりも斜めになりやすいので、十分に注意してください。
※市販のネジは規格が異なるためこの場所には使用できません。必ずSCATTに付属してきた真鍮製の角度調整用ネジを使用してください。
最後にSCATT本体を取り付けて完成です。あとはSCATTのマニュアルに従い、キャリブレーションを行ってください。
購入は「あきゅらぼ通販」からどうぞ。