興東電子製のビームピストルのトリガーフィーリングを良い感じにする「トリガーチューニング」を始めます。
[2020/02/23追記]トリガーチューニングを何件か手掛けて製造時期が違うビームピストルを見たことでわかったことを追記/訂正しました。
初回お試しキャンペーンは終了しました。現在は通常価格にて受付しています。
ノーマルのビームピストルにある問題点は、ピストル本体に限って言えば主に6つあります。
トリガーやシアの軸にはスプリングピン(鉄板を丸めて棒状にしたもの)が使われています。断面が完全な円ではないので、軸の差し込み方によって部品の回転軸が変化し、シアのかかり具合などの極めてデリケートな部分に致命的な誤差が生じることがあります。
同じ理由で、軸の差し込み方によって部品が回転する際に生じる摩擦抵抗がものすごく大きくなってしまうことがあります。
トリガー部品と本体の間に大きな隙間があるため、トリガーに対して斜めに力を入れた際にパーツ全体が大きく傾き、本体とガリガリと擦れてしまうことがあります。
※現行商品では金属製シムを入れることでガタを減らし本体との擦れを防止する措置が施されています。
ビームピストルは、ある程度トリガーを動かさないとレーザーが照射されない仕組みになっています。個体によってはそのタイミングが遅いものがあり、1stステージのストロークをかなり大きくとらないとレーザーが照射されず、トリガーの調整余地が少なくなってしまっています。
シア同士が最終的に噛み合う部分のカドが丸められているため、シアが切れる時(2ndステージ)で一瞬でスパッと切れるのではなく、切れ始めから切れ終わりまでズルズルと動く感触があります。
※現行商品ではカドを尖らせる切削加工が施された上で、噛み合い部分がグリップを外すだけで外部から見えるように丸い窓が開けられています。
グリップとレシーバーとの接合面にしっかりと位置決めするものがなく、グリップスクリュウを締め込んでもグリップを握って銃本体をねじると少し動いてしまいます。
トリガーおよび2つのシアの軸を、スプリングピンから平行ピン(中身が詰まった金属製の円柱)に交換します。これにより差し込み方によって部品の軸間距離が変わってしまう問題がなくなります。また、部品と軸との摩擦抵抗は比べ物にならないほど小さくなります。
テフロン製のシア(薄いドーナッツ状の部品)をトリガーベースと本体の間に挟んでガタをなくします。シアはテフロン製なので摩擦抵抗は極めて小さくなり、トリガーを引くときの引きずり感は微小で済みます。シアの厚さは0.3mmのものと0.5mmのものがあるので、それらを組み合わせることで個体間でのサイズ差に対応します。
ビームピストルはトリガーベースに仕込まれた磁石によってトリガーの位置が検出される仕組みになっています。その磁石の位置をごくわずかにずらすことでレーザー照射開始タイミングを微調整します。
※既に適切な位置でレーザーが照射開始される製品については、この調整は行いません。
シア同士の噛合い部分を砥石で磨いて尖らせたり、硬いステンレス薄板を金属用超強力接着剤で貼り付けたりすることで噛合い箇所の調整を行います。これにより2ndステージは一瞬でスパッと切れる競技銃らしいものになります。
グリップと本体の間の適切な箇所にポリカーボネート板を挟むことで、グリップがしっかりと本体に密着し、グリップスクリュウを締め付ければガッチリと固定されて動かなくなるように調整します。
製造時期などによって、上記のカスタムの全てが必要ではない個体もあるかもしれません。その場合は必要ない部分には手を付けずに返送しますが、原則としてカスタム料金には変動はありません。また、上記メニューになくても、シアA/B間にある小さいスプリングが劣化している場合は高精度なものに交換したり、ネジがゆるくなっている部分にはネジロック剤を塗布したりというチューニングなど、追加の作業が必要であると判断した場合は無料で行います。