Categories: 実銃射撃

まるで洗車機の中のようだ

朝霞で全国春季ピストル。

全国ピストルは、土~日と2日間かけて開催される。朝霞でイッペンに数百人規模の試合を開催するのは無理だということと、土曜だけ、日曜だけしか参加できない人というのもけっこう世の中には多いのでそういう人のことをおもんばかってのことと、二つの理由があると思われる。実際、私も日曜日には仕事(サバイバルゲーム)があり、通常だと日曜のところを土曜日に振り替えてもらう形で参加できたのだから、こういうやり方は助かる。

助かるのだが…。

オリンピックだとかアジア大会だとか、ある程度以上「ちゃんとした・グレードが高い」試合だと、全員が一斉に同じ場所で試合を始めるというのが鉄則だ。コンディションとかそこらへんを平等にするためのものだ。ほとんどの場合エアライフル・エアピストルの試合は屋内で行われるので時間が少々ズレたところでたいしたコンディションの違いはないのだが、それでも「同じ場所・同じ時間」というのは絶対の条件になっている。

だが全国ピストルはそうではない。2日間にわけて、しかも午前や午後に振り分けて試合が行われる。さらに朝霞は屋外。午前と午後ではターゲットに当たる光の具合も大きく変わるし、風の強さや温度・湿度も変化する。ましてや別の日ともなればコンディションの違いとかそういうレベルの問題じゃなく「同じ試合として点数を比べること自体、どうかと思う」と言われてもしかたないくらいの差が出てくる。

土曜日のコンディションは、「前代未聞」といってもいいくらいにすごいものだった。風は、止んだかと思ったら突発的に思いも掛けない方向から強く吹きつけてくる。雨は、止んだかと思ったら10m先のターゲットが霞むくらいに強く振りつけてくる。かと思ったらいきなり晴れ間が覗いたりする。撃つ場所(射座)には屋根が付いているのだけれど、風向きによっては射座まで雨が吹きこんできて顔や銃を濡らす。一度、あまりの強雨・強風のため、5分間の中断時間が設けられたほどだ。

ほんの僅かな時間だけ、雨が止んで光が差し、風が弱まった時があったので、そこで(まるでAPSカップのブルズアイのように)猛スピードで1シリーズ半くらいを撃った、その時だけはまともな点数になったが、ほかはボロボロ。ずっと以前に関東ブロックで撃ってぼろ負けしたとき(高知国体の東京都代表になったとき)以来のひどい点数となってしまった。

次の日の日曜日は、風もなく天気も良い、絶好の射撃日和だった。土曜日組と日曜日組では大きな点数差がでてるんじゃないだろうか。

なんとかならんもんか、と思ってもなんともならないのが現状。全国ピストルを一日開催にする? 射座数が足りないし、土曜または日曜のどちらかに用事がある人が参加できなくなる。屋内射撃場がある長瀞で開催する? 朝霞に比べれば場所が不便だし参加費も高くなってしまう。じゃあ、朝霞を屋内射撃場に改装する? そんな金がどこにあるんだ。

結局は、なんとか朝霞を大事に使い続けて現状を維持するのが精一杯だし、ベストな方法ってことになるんだろう。全国ピストルよりさらに上位の試合が屋内射撃場で開催されるのだから、本当の実力はそちらで発揮してくれってことになるわけだ。

池上ヒロシ

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