Categories: 射撃のコツ

ピンポイントシューティング講座第6回・攻略方法

 いよいよピンポイントシューティング講座も最終回。今回は、実践的な攻略方法について述べたい。

 ブルズアイとプレートの2つのステージがあるピンポイントシューティングだけれど、共通しているのは「ヨコ方向への移動が多い」ということだ。ブルズアイは5つの黒丸がA4大のターゲット用紙の上に、トランプの「5」とか、マージャンの「ウーピン」みたいな形に並んでいる(こういう的を「五文的」と呼ぶ。特に役に立たない知識だけれど)。それも横長だ。プレートで撃たなければならない5つの穴もヨコに並んでいる。

 横方向へと照準を移動させるときは、足の位置を微調整させて行うということは第5回で説明したとおり。だから、ブルズアイでもプレートでも、「狙う位置」をヨコへ移動させるときは、足の位置を変更させる必要がある。感覚的には射座の中で平行移動したくなるのだけれど、実際は右足を前に出すとか左足を後ろに引くとかして向きを変えるやりかたの方が良いだろう(狭いし)。

 一方、縦方向への移動はそれほど大変ではない。足の位置は変えず、上体の角度かあるいは腕を持ち上げる時の角度を僅かに変えるだけで済むからだ。

 長めとはいえ限られた時間内で10発を撃たなければならないピンポイントシューティングのブルズアイステージ。大変になるヨコ方向への移動は、できるだけ少ない回数で済ませるのが正解だ。真っ直ぐタテに並んでいるターゲットが2組あるので、それらはまとめて撃ってしまうのが良いだろう。

 順番については各自流儀があるだろうけれど、一例としてはこんな感じだ。


 まず競技開始前の準備段階において、左のターゲットに照準が合うように足の位置を決めておく。競技開始したらまず一番左上のターゲットを(2発。以下同じ)撃ち、次に足の位置はそのままで左下を撃つ。次に足の位置を変更して真ん中のターゲットを撃ち、一息ついてから右のターゲットに照準が合うように足の位置を調整、右上、右下の順番に撃つ。このやり方だと、「左右移動」は2回で済む。

 あまりお薦め出来ないのは、左右方向の移動を頻繁に行うやりかただ。例えば下記のような順番だと、全てのターゲットの移動に左右方向への移動が入るので、合計で4回も足の位置を変更する必要がある。いくら制限時間の長いピンポイントシューティングでも、これでは間に合わない可能性が出てくる。


 0.1秒や0.01秒を争うスピードシューティングだと、上下方向の移動、特に上のターゲットから下のターゲットへと移動するときは「銃に隠れていたターゲットを狙う」という難しい状況になりタイムロスを招いてしまうため、出来るだけ少ない回数で済ませたいという事情があり、「お薦めの順番」というのも変わってくる。しかし時間がたっぷりある精密射撃では、「できるだけ横方向への移動回数は少なくする」のが、楽に高得点を撃つためにはお薦めのやり方だ。


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池上ヒロシ

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