オリンピック三連覇の秦鍾午って、どのくらい凄いの?【海外の反応】

50mピストルで前人未到のオリンピック三連覇を成し遂げたJIN Jong-Oh(秦鍾午)。お世辞にも「イケメン」とは言いづらいのは確かですが、顔とかそういうのは関係なく、偉大なピストル選手であることは間違いありません。
※写真はNHK特設サイトの見逃し配信動画より引用。

「最下位になってから、6人ごぼう抜きでの大逆転優勝」という、とんでもなくドラマチックな展開を見せた50mピストルのファイナル。その主役となった韓国のJIN Jong-Oh、韓国でもさぞかし熱狂的に盛り上がって英雄扱いされているんだろうと思うのですが、こと韓国関係のことについては実に熱心に翻訳紹介してくれている日本のサイト(いわゆるコリアウォッチ系ブログ)でも、この人の名前をあまり見かけません。

単にニュースバリューが無くて紹介されていないだけなのか、射撃は実は韓国でもマイナー競技で金メダル取ろうが取るまいが全く盛り上がってないのか、どっちなのかは分かりませんが……。

 

参考までに、2016リオ五輪50mピストルファイナルでの得点推移をグラフにしてみたものを再掲します。真ん中あたりで大ポカをやって最下位に沈んだ後、6人をごぼう抜きしてトップまで上り詰めている赤い線が韓国のJIN Jong-Ohです。

世界各国の射撃フリークが集まるTargetTalkという掲示板(提供しているのはアメリカの銃砲店)では、「オリンピック3連続での金メダル」という偉業は、当たり前のことですが賞賛と尊敬を持って迎えられていました。そして面白いことに、そこから更に話が盛り上がって、「過去に存在した偉大なピストル選手」や、「ピストル選手に限らず、ありとあらゆる偉大な射撃選手」との比較なんていう、けっこう無茶な話題にまで発展していました。

もっとも話を振った側も、その議論で勝ち負けを決めようとかいうのではなく、「ディベートを楽しむための題材」として割り切っており、またその議論に乗った側もそれは十分にわきまえているようで、2ちゃんとかでありがちな見るに耐えない泥沼の罵り合いみたいなことにはならず、読んでいて十分に面白いやりとりになっていました。ちょっとだけ抜粋して翻訳してみたいと思います。

すげえ、信じられない

引用元:Just unbelievable!!(TargetTalk)


  • Jin Jong-Ohがフリーピストルで3回目の金メダルをゲットしました。
    こんなことが可能なんでしょうか。一度でもトップを取ればそれでもう十分凄い、よっぽどの場合でもせいぜい目標となるのは「連覇」でしょう。
    私はもうシャッポを脱ぐしかありません。
    ただ、エアピストルで金メダルを取ったベトナムのシューターのことも忘れちゃいけません。彼はフリーピストルでも銀メダルを取ってます。嫌な噂が現実になることなく、フリーピストルがこれからもオリンピック種目であり続けるならば、きっと彼の活躍はこれから何度も見ることになるでしょう。(サンタフェ・アルゼンチン)

 

  • 射撃競技は、アジア人と白人に支配されていますね。思うに、遺伝的形質において何か優位性があるんじゃないかと。そう、バスケットボールが黒人やアフロ・アメリカンに支配されているのと同じように。(コスタリカ)

 

  • Jin Jong-Ohは、セカンドステージの4発目で、ほぼ終了したも同然の状態になっていました。そこから、少しずつ挽回していったのです。
    呼吸を止めるな!(最後まで諦めるな、の意味)人生で何が起こるかなんてのは誰にもわからないんだ!(国籍不明)

 

  • 中盤からの追い上げは驚異的でした。中継で見ていましたが思わず身を乗り出してしまいました。彼は、金メダル三連覇に値します。(ケンブリッジ大学)

 

  • 確かにアレは凄かった…。「ネバー・ギブアップ」というメッセージですね。6.6を撃った後の挽回は驚異的でした。3つの金メダルを取ったJin Jong-Ohは、おそらくオリンピックの歴史の中でも最高の射手の一人として数えられることでしょう。(国籍不明)

 

  • >Jin Jong-Ohは、オリンピックの歴史の中でも最高の射手
    最も偉大なピストル射手は、Jin Jong-Ohか、それともラルフ・シューマンか? さあ議論しようじゃありませんか。あるいは別の人の名前が出ますか?(「Walk」と「Don’t Walk」のある曲がり角)
※訳者注:ラルフ・シューマン……ドイツのラピッドファイアピストル選手。1988年から7回連続(!)でオリンピックに出場、1992バルセロナ、1996アトランタ、2004アテネで金メダル。その他世界選手権で4、ワールドカップで13(!)、ヨーロッパ選手権で7の金メダルを獲得しています。
【PHOTO】GettyImages

 

  • シューマンに決まっています。
    その理由は、彼はラピッドファイアのみの射手だからです。Jinはフリーとエアの両方を撃ち、その片方で金メダルです。2回のチャンスがあるのだから、プレッシャーもその分だけ少ないでしょう。言うまでもないですが、シューマンはJinよりも長い間、トップに君臨しつづけました。
    …まあ、これは私自身がラピッドファイアの射手であることによる贔屓目もあるでしょうが。
    シューマンの成績
    Jinの成績
    オリンピックメダル数は同じですが、シューマンのほうがキャリア全体を見た時にはより優れています。(ニュージーランド)

 

  • こと「所属クラブの名前の長さ」においては、ラルフ・シューマンの圧勝です。
    「Foerderverein Schiesssportzentrum」。
    Jin Jong-Ohのクラブ名は「KT」。
    (イギリス・スタフォードシャー)
  • >シューマンのほうが全体的に優れている
    あえて反対意見を述べてみます。
    1)3大会連続での金メダル(ラルフの3つの金メダルは連続ではない)
    2)Jinの実績はフリーピストル単体でシューマンのラピッドファイアに匹敵する
    3)オリンピックの金メダルと、数多くの世界大会での世界記録はシューマンの2倍
    4)Jinは、ISSFがメダリストを「8人の中からくじ引きで決める」ようになってからも金メダルを取っている
    ※訳者注:本射の点数だけで勝ち負けが決まる単純明快なシステムから、本射の上位8名だけで「ファイナル」を行ってメダリストを決めるという今のシステムそのものを揶揄しているのではないかと思います。

    5)フリーピストルはビッチだ

    ※訳者注:女性に対する蔑称としての他、「酷く難しいこと」みたいな意味もあるようです

    念のため…私の個人的な意見はどちらかというとシューマン寄りです。少々贔屓目があることは認めますが。(「Walk」と「Don’t Walk」のある曲がり角)

※訳者注:「地域」のところに変なフレーズが入っていたのでそのまま掲載しました。要は「交差点」を表す慣用句みたいなものらしいのですが。発言内容から察するに多分アメリカ人だと思います。

 

  • >あえて反対意見
    さらに反対意見を。
    1)それについては異論はありません。確かにそのとおりです。
    2&3)そうでしょうか?シューマンはWCFやWCではJin以上に優勝していますし世界記録をとっています。種目が一つだけなのにも関わらずです!
    4)それはラルフの責任じゃありません(それに、私は「サイコロシステム」が導入されていたとしても彼は同じように好成績を残したと思います)
    5)同意します。フリーピストルは単なる気まぐれな愛人以上のものです。確かにそれはビッチです!(ニュージーランド)

 

  • なんと素晴らしい反対意見でしょう。2&3、そして4に対して!
    ちょっとだけ補足を。
    A)長寿と、卓越性を持続した点(Jinがこれからどうなるかはわかりませんが、シューマンは30年間も競技生活を続けました)。
    B)オリンピックは特別だということ。
    「リンゴと梨、どっちが価値があるか」みたいな話ですね。楽しい議論に付き合ってくださって感謝です。(「Walk」と「Don’t Walk」のある曲がり角)

 

  • さらに話をややこしくしてみるテスト。
    Jinとキム・ロードは?…なんとも言えませんが僅かにJinが勝るか?
    Jinとマシュー・エモンズは?…うーん、これは分かりません
    Jinと王義夫は?…これはJinでしょう
    Jinとブライアン・ジンズは?…これもJin
    Jinとダグ・ケニッグは?…Jinですね
    (「Walk」と「Don’t Walk」のある曲がり角)

 

※訳者注
キム・ロード(Kim Rhode):アメリカのダブルトラップとスキートの選手。オリンピックには1996年から6回連続で出場。1996アトランタと2004アテネでダブルトラップの金メダル、2012ロンドンではスキートで金メダル。2016年の今大会にもスキートで出場していまして銅メダルを獲得し、「6大会連続でメダルを獲得」という栄誉に輝きました。写真は本人のFacebookより引用。
マシュー・エモンズ(Matt Emmons):アメリカのライフル選手。2004年から4回連続でオリンピック出場、そのうち3回でメダル獲得。2004年アテネでは50mライフル伏射60発で金メダル獲得。今回の2016リオにも出場していますが、50mライフル3姿勢で19位予選落ちとなっています。写真はELEYの公式サイトより引用。
王義夫(Wang Yifu):中国のピストル選手。オリンピックには1984ロスから2004アテネまで連続6回出場、そのうち1992バルセロナと2004アテネの10mピストルで金メダル。
【Photo】GettyImages
ブライアン・ジンズ(Brian Zins):オリンピック選手ではなくM1911ピストルを使ってのブルズアイ射撃競技における第一人者。ヒストリーチャンネルによるTOP SHOT(日本での番組名は「射撃王~10万ドルを手にするのは誰だ~」)への出演で有名とのこと。写真はNRAの「SHOOTING SPORTS USA」内にある、トリガーコントロールの秘訣を解説するコーナーより引用。
ダグ・ケニッグ(Doug Koenig):こちらもオリンピック選手ではありませんが、日本の古いガン好きにとってはオリンピック選手以上に「良く名前が知られている」シューターでしょう。ビアンキカップにおける伝説的存在にして、チームS&Wに所属する現役のシューター。数々の偉大な業績は、下の方で熱く語る人が現れますのでそちらで。写真は本人のFacebookより

 

  • 王義夫ですか。私のチームメート(および私)にとって彼は、永遠に「酸素少年」として知られています(もちろん、彼には聞こえないところで)。
    「オリンピック射撃において最もドラマチックな瞬間」というタイトルでランキングするなら、王義夫vsマッシュ・エモンズの勝負は欠かせないでしょう。(ニュージーランド)
訳者注:話の流れを見るに、王義夫はアトランタオリンピックで倒れて酸素吸入を受けるかなにかしたことがあるようですね。当時のニュースなどが探せたら良かったのですが上手く見つけられませんでした。
【Photo】GettyImages

 

  • 王が崩れるのは予想されていましたが、それが彼のキャリアの中で一度しか起こらなかったということは驚きです。
    彼は、右椎骨動脈に先天的な狭窄があります。首を標的方向に回すと、脳へ酸素を供給する唯一の動脈が遮断されてしまいます。アトランタのあの日のように暑い日には、「酸素少年」はまさに蒸し焼きにされているようなものでした!
    エモンズのファーストクラスな振る舞いは、スポーツマンシップを具現化したようなものでした。(国籍不明)

 

  • 私達のほとんどは初心者ですから、トップシューターが崩れる時のことは想像するしかありません。その時、彼らが「内なる悪魔」と繰り広げている戦いについて知ることはできません。
    王義夫の場合、先天的な問題から長時間ピストルを構えることができないという前提があります。ほんの数秒で視界がぼやけてしまいます。
    彼の射撃スタイルは、およそありとあらゆるトップシューターの中でも最速でしょう。まさに「ドロップ・ドロップ・ドロップ・ショット」といった感じで、フォロースルーは皆無に等しく、ほんの数秒で射撃を終えてしまいます。
    あの日のファイナルは、あまりにも接近戦であり、あまりにも暑い日でした。彼は、自分にとっての正常な射撃手順を行う余裕がありませんでした。その後の大崩れはみなさん知ってのとおりです。
    「酸素少年」は、酸素を求めていました。(国籍不明)
  • うーん、ブライアン・ジンズがトップに君臨していた期間はJinよりも長いですよ…たったひとつの種目(ブルズアイ)においてですが。
    ダグ・ケニッグは、より多くの様々な種目において素晴らしい実績を残しています。彼の本業はNRAのアクション・ピストル競技である「ビアンキカップ」です(なんと優勝回数は17回!)。これは精度が要求されるのはもちろんですが、ターゲットのサイズ、距離、位置、そして動きにいたるまで様々なバリエーションがある競技です。彼はIPSCのワールドチャンピオンでもあります(さらにUSPSAやスティールチャレンジのナショナルチャンピオンになったことも複数回あります)。センターファイアピストルでの早撃ち競技においては、伝説的シューターとして語られる人物です。
    センターファイアピストルでのスピードシューティング、リムファイアの精密射撃、ロングレンジでのシルエットピストル射撃の複合競技である「マスターズ」において21回優勝しています。スピード系をベースとした、リムファイアピストルやライフルやショットガンでのクレー射撃を行う「スポーツマンズ・チームチャレンジ」において19回優勝しています。
    こういったことを考えると、ダグ・ケニッグと同等あるいはそれ以上に、ピストル、ライフル、ショットガンとありとあらゆる射撃の分野で卓越した成績を残せる人物などこの世に存在しないのではないかと思います。(国籍不明)

 

  • >ダグ・ケニッグ以上にあらゆる射撃分野で卓越した成績を残せる人はいない
    たくさん書かれていらっしゃいますが……。それらの多くはUSAにおいては重要かもしれないし尊敬されるであろう種目なのでしょうが、世界においてはほとんどが無視されるものです(IPSCは例外)。(ニュージーランド)

 

  • >ダグ・ケニッグ以上にあらゆる射撃分野で卓越した成績を残せる人はいない
    反論点としては、
    1)350万人中で1位になるのと、70億人中で1位になるのとの違い
    2)中国人はビアンキもマスターズもスポーツマンズ・チームチャレンジにも出ていない
    (「Walk」と「Don’t Walk」のある曲がり角)

 

  • >1)350万人中で1位になるのと、70億人中で1位になるのとの違い
    といいますが、70億人のすべてが射撃を経験してその中からベストシューターを選んだってわけでもないでしょう。アジアにおいて射撃をやってる人の数は、その他の地域よりもずっと少ないはずです。賭けてもいい。(オーストラリア)

 

※訳者注:話の流れと関係なく唐突にリンク貼られたので誰も相手にしてないっぽいですが、リンク先に書かれてる内容はそれなりに興味深いものでした。簡単に書くと、「韓国では小学生の頃から全員がアーチェリーを習う」「才能のある子は、学校で一日2時間のトレーニングをする」「中学・高校・大学のそれぞれで、芽が出ない子は淘汰され、生き残った子がヒュンダイなどの企業チームに入る」「選手強化にかけられているお金はかなり凄い」「金額だけじゃなく、トレーニング方法もかなり理論化・近代化されたものになっている」といったような感じです。

 

  • それを聞いて思い出したんですが、アメリカのIPSCシューターのうち何人かは、ISSF競技(ラピッドファイアとか)に出場する機会があったように思います。ダグ・ケニッグはその一員でしたか?(国籍不明)

 

  • >US IPSCシューターがISSF競技に出場
    ダグ・ケニッグは、その「ベンチャー」には参加しませんでした。聞いた話ですが、彼は「プロフェッショナルなシューター」として生きるために自分自身と家族の生活を安定させることに集中していたとのことです。(「Walk」と「Don’t Walk」のある曲がり角)

 

  • >US IPSCシューターがISSF競技に出場
    ブルース・ピアット(Bruce Piatt:2015NRAワールドチャンプ、前ビアンキカップチャンプ)はラピッドファイアの予選で2位になり、ナショナルチームメンバーになっています。詳しいことはちょっと覚えていないのですが。(国籍不明)

 

  • >US IPSCシューターがISSF競技に出場
    キース・アンダーソン(Keith Sanderson)からその話を聞いたことがありますが、私はIPSCシューターの名前はちょっと覚えていません。(アメリカ・アリゾナ州)

 

  • なんかもう、完全に個人的な主観で語っても良い雰囲気になってるみたいなので。
    >ラルフ・シューマン
    彼は、私にとって、センチメンタルな感情を伴う「一番のお気に入り」です。
    その理由は、私の妻にあります。
    彼がアトランタで優勝したとき、私は彼女の隣に座っていました。当時、私はラピッドファイアピストルのルールについて全く無知で、彼女が誰を見ているのか、あるいは私が何を見ているのか、全く理解できていませんでした。彼女は私の有り様を見て哀れに思ってくれたのでしょう、実に親切に実況解説をしてくれました。初心者である私に熱心に解説をしてくれる彼女が、とても魅力的でした。
    私は、あのとき彼女の隣に座ることができた幸運を今でも感謝しています。(アメリカ・テキサス州)

掲示板の置いてあるカテゴリーが「Olympic Pistol」ですから当然のことではあるのですが、参加者の基本的な価値観は「オリンピックで行われている射撃競技」>>「それ以外」と一貫しています。ビアンキやスティールチャレンジ、マスターズなんかの成績を持ってきて「ほら、ダグ・ケニッグって凄いでしょ!」って主張しているアメリカ人が、「そんなのアメリカ国内だけのローカルマッチじゃん、世界じゃ誰も知らねーよ」って一刀両断されているのはちょっと面白かったです。

IPSCなどで大きな実績を残していても、「で、ISSF射撃競技(オリンピックの種目になっているような射撃競技)ではどういう成績を?」というのがまず真っ先に来て、そこで何も残せていなければ、それは何もしていないのも同じ。ある意味で潔いというか。

もちろん、ビアンキやスティールチャレンジがISSF射撃競技に比べて「劣る」とか「レベルが低い」なんてことは断じてありません。日本の銃好きなら、それらのシューティングマッチが恐ろしいほどレベルが高いもので、「超人」が世界中から集い、「人並み外れたワザ」をぶつけあう場所であるのかを良く知っていると思います。

それになにより、「射撃という文化全体から見た時の、その選手個人の存在感」みたいなところまで視野を広げて見るならば、自分で自分自身を「プロシューター」としてマネージメントしスポンサーを集め成功を収めてきたダグ・ケニッグと、国の庇護のもとで自分の射撃スキルを磨くことだけに邁進し、今大会が終わったら引退するとか言ってたJIN Jong-ohでは、比べるのもおこがましいくらいの差があるんじゃないでしょうか。
※50mピストル終了後のインタビューでは、「次のオリンピックも狙う。まだまだ若いやつには負けられない」と現役続行を明言したとのこと。

日本人に目を向けても、ラピッドファイアピストルで日本人唯一の金メダリストである故・蒲地さんと、スティールチャレンジで日本人唯一のチャンピオンであるマック堺さんを比べた時に、「日本の射撃文化に対する貢献度」で言ったら圧倒的に堺さんの方が上でしょう。(ちょっと暴論めいてますが同意してくれる人は多いはず)
 

マック堺……本名:堺達也。若いころから日本のエアソフトガンを使ったシューティングマッチで才覚を表し「出れば優勝」というトップシューターとして名を馳せる。2004年にアメリカで開催された実銃を使っての早撃ち競技「スティールチャレンジ」に参加、数多くの有名トップシューターを退けて優勝するという快挙を成し遂げる。現在もトップレベルの競技者としてシューティングを続けるかたわら、シューティングの普及や発展のためにYoutubeに数多くの動画をUPしている。マック堺チャンネル(Youtube)

オリンピックは確かにあらゆる意味で特別です。しかしオリンピックではない「その国独自のローカルマッチ」であっても、大勢が集い技術を競いあう場である以上、そこで勝ち抜いて残した実績は偉大であり、尊敬に値します。そして、歴史に残る真に偉大なシューターとなれるかどうかは、単にその大会で勝ったか負けたかだけでなく、その後の長い人生において何を行い、何を遺すのか、結局のところはそれに尽きるのかもしれません。

願わくばJIN Jong-Ohも(大会前のインタビューで言ってたみたいに)「引退して指導者になって、後輩に威張るのが楽しみ」みたいなことを言わずに、韓国、できればアジア全体の射撃文化の振興に貢献する「偉大なシューター」として歴史に名を残して欲しいと思います。それだけの実績があるのですから。

池上ヒロシ

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