Categories: 実銃射撃

さっそく大会エントリーとか

※画像はイメージです

もう許可が下りないかもとか思ってた時期は大会の申込みをする気力も無くて、来月半ばの全国春季ピストル(朝霞)なんかは気がついたら申し込み期限が過ぎてたりした。まさかこんなにかかるとは思ってなかった時期が申し込み期限だった東京都春季大会なんかはキッチリ申し込みされてたのだが。

ちょうど日ラのサイトに今年度の予定表がやっとUPされたので、さっそく行けそうなところを見繕って申し込んでみる。朝霞の季節大会を一つ抜かしたんだからそのかわりにどこか遠くに遠征したいなと思ったら、6月末の東日本が富山で開催されるとのこと。ここはまだ行ったことがない。広島や秋田と違って近辺がそこそこ観光地化されていて交通の便も良く泊まる場所にも苦労しなさそうだったので、いっちょやったるかとエントリー。

でも福光射撃場ってどんなところなんだろう、行ったことある人がいましたら教えて下さい。

そんなこんなで日ラのサイトを見ていたら、なんか新着に記事が来ている。「これからの選手強化事業の方針」と題されたPDFだ。世界の舞台で勝った負けたができそうでできないギリギリといったところでアップアップしている日本の射撃界の現状をなんとかしようと、これまでの選手強化方針をがらりと変えてしまおうというものらしい。

トップ選手だけに強化費をつぎ込むのではなく、次回、そしてその次のオリンピック――つまり8年以上も後の話――においてメダル候補選手となるであろう有望な若手を見つけて、トップ選手と同じとは言わないがそれなりの金をかけて強化していこうというものだ。以前、ピストル指導者講習会に参加したときに三野さんが話していたドイツのやり方と良く似ている。多分、話の出処は同じなんだろう。

目前に迫った五輪だけを目標にするのではなく、10年単位で先を見据えた一貫性のあるコーチングを行なっていくということだから、今みたいに高校・大学・自衛隊体育学校 or 警察の特連といった具合に全くバラバラに独自の世界に閉じこもってるよりはずっと良いに決まっている。決まっているんだけれど、ピストル指導者講習会でも話が出ていたとおりコレを本当にやろうとするといくつか乗り越えなきゃならないハードルがある。

一つは、日本の法律による特殊事情。小学校・中学校のころから射撃の才能がある子を発掘するといっても、法律で18歳にならないとエアピストルを始めとして「弾の出る銃」に触ることすらできないように制限されている日本で、どうやってソレを行えば良いのかという点だ。年齢制限を大幅に引き下げるとか、低年齢独自の推薦枠の新設だとか、いろいろ策は練ってるらしいんだけれどなかなか壁はこじ開けられないようだ。なんとか状況を打開しようと導入されたデジタルピストルも、製造元が撤退してしまい現存しているものを大事にヤリクリして使っていかなければならないという「お先真っ暗」な状況だし。

もう一つは、圧倒的なコーチ不足。このシステムは、いわば「コーチ力」という限られたリソースの有効活用を狙ったものだ。誰も彼もが超一流の指導ができるというわけじゃないのだから、そういった「超一流のコーチ」はより上の方のレベルで働かせることでその指導力をより有効に発揮してもらい、(言い方は悪いが)二流・三流のコーチは底辺層の指導にあたらせて有望な選手を「上の方」に送り出させることに専念させるというもの。合理的だが、このやり方というのは、とにかく全国津々浦々に「初歩的な指導と、才能がある人間を見出すことができる程度の目」を持った「三流コーチ」がいなければ話にならない。そのコーチの目にかなった「有望な子どもたち」がさらに一段上のより高度な指導ができる「二流コーチ」の元に行き、そこでさらに「メダリストの片鱗」を見せるような選手がいれば、 オリンピック候補となる国のトップ選手と一緒に「一流コーチ」によるトップクラスの指導を受けるようになる……といったシステムなのだ。

※単純に一流~三流って分けてしまったけれど、射撃を始めたばかりの小中学生に教えるのにはトップ選手を指導するのとはまた違う難しさがあることだろう。あくまで便宜的なものということで。

どうやってコーチを増やしていくのか。言っちゃなんだが射撃のコーチなんてやっても全く金になんかならない。コーチ資格を取るのだってそれなりにお金はかかる。指導者講習会を自腹で大枚はたいて受講してくれるような物好きな人がそんなに大勢居るとも思えない。なら、選手強化費の一部をコーチ育成につぎ込む? いや、このPDFを読む限りではそういった話は微塵も読み取れない。選手強化委員会にはそこらへんの具体的なビジョンがあるんだろうか。あるのだったら日本の射撃の未来は明るいけれど、もしないのならこんな「方針」は絵に描いた餅だ。

池上ヒロシ

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