Categories: 実銃射撃

新ルールでのピストル競技

世界の「射撃競技」の総元締めであるISSFが、新しいルールを発表した。これからの世界大会とかそういう大きな大会はその新ルールになる。当然、日本で行われる射撃競技も、可能なかぎり新ルールにて行われていくことになる。

具体的な変更点は、これまでは「試射を終えて、本射を始めるタイミングは射手が自分で決める」ものだったのが、これからは「試射の時間は厳密に決められており、それが終わったら全員で一斉に本射をスタート」というものになったという点だ。

ピストルの60発競技だと、これまでは「試射・本射を合計して1時間45分」だったのが、新ルールだと「試射が15分、本射が1時間15分(紙標的の場合は1時間30分)」となる。

石巻で昨日行われた東日本ピストルでは、前倒しでこの新ルールにおいて競技進行となった。

実際に体験してみた感想は、「なんか、慌ただしいなあ」といったもの。電子標的ではなく紙標的なので本射時間は1時間30分。試射と合わせれば1時間45分だから合計時間自体は以前とは変わらないはずなのだけれど、なんか時間が短く感じる。これまで試射に15分とか使わず10分くらいで本射に移ってたから、本射に使える時間が実質的に5分減ってるという理由もあるのだけれど、なんかそれ以上に慌ただしい。

実は、これまで試合開始前に10分間設けられていた準備時間である「プレパレーションタイム」が、新ルールでは15分の試射時間に含まれているのだ。正確には「プレパレーション アンド サイティングタイム」という扱いになる。これにより、競技に必要になる時間そのものが10分、電子標的の場合はさらに本射時間も15分短いので合計で25分も短縮される。以前だったら、第1射群の人たちが終わって第2射群は射座に入り始めるかな…といった時間にはもう、第2射群がパシパシ撃ち始めているというわけだ。

「慌ただしい」という印象を受けるわけである。

待ち時間が減るというのは、競技者としてはありがたい。実際に大会に参加してみてつくづく感じたことは、競技者にとって最大の敵になるのは、「待ち時間をどういった精神状態でやり過ごすか」といったことだ。これは射撃に限らずどんな分野でも似たようなものだと思う。その「敵」が少し弱くなってくれるんだから、基本的には歓迎だ。

ただ、これまで以上に遅刻は厳禁になった。遅刻常習犯である私の場合、ここが「新ルール」で一番気をつけないところかもしれない。

池上ヒロシ

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