グリップを切らなきゃならなくなったのは誰のせい?【海外の反応】


今、全国481人(※1)のエアピストル射手は、自分の銃のグリップを切るか切らないかで戦々恐々となっています。2026年1月から採用された(国内では4月以降から段階的に適用されることになっている)ISSF新ルールでは許容されるグリップのサイズや形状などが大幅に変更され、かなりの数のエアピストル用グリップがたとえ純正のまま手を加えていない状態であってもルール違反となってしまうことになり、ルールに適合させるためにグリップの一部を切断することを余儀なくされているからです。

これまでにも大幅なルール変更はいくつかありましたが、試射と本射の切り替えだとか(※2)ファイナルの手順とかは人間側で対応すれば良かったのですが、グリップを切断しないとならないとなると話が別です。ルールの解釈を間違っていたとか、「やっぱりあのルール変更はナシにします」なんてことになっても、切ったグリップは元に戻せません。「ルールのこの部分はどういう意味なんだ」「どこまで加工すればいいんだ」「のちのち変更になる可能性はあるのか」と、憶測や邪推や勝手な妄想を含めいろんな情報が錯綜しています。

もちろん、これは日本国内だけの話じゃありません。エアピストル競技は世界中で行われていますから、世界中の射手が同じように混乱状態に陥っています。

ルールを作る側に近い立場の人がいたりして確度の高い情報が得られるかもしれないという一縷の望みを託して、TargetTalkの掲示板を覗いてみました。

※1:エアピストルの推薦枠は500人ありますが、予備として2人分は常に開けておくことになっており実際に出されている推薦は498人分だけです。さらに、先日行われた実態調査(推薦を受けた者がちゃんとエアピストルを所持しているかどうかの調査)により、17人が推薦を受けたもののエアピストルの所持には至っていないことが判明したとのことです。つまり現時点でエアピストル所持者は全国で500-2-17=481人ということになります。
※2:今は本射から試射への切り替えは全員一斉に行いますが、昔は競技時間は試射時間を含めたものになっていて、どのタイミングで試射から本射に切り替えるかは各競技者の自由でした。

2026新ルールにおけるグリップ形状とは?

引用元:TargetTalk “New grip design rules as per 2026?”


  • 2026年の新ルールにおけるグリップ形状とは、どんなものなのでしょうか?
    2026年1月2日に改訂版ルールブックがリリースされれば、確かなことがわかるでしょう。(※訳注:このトピックが立てられたのは2025年12月30日です)。RinkグリップのWebサイトには、新ルールに書かれている寸法に関する詳しい説明が掲載されています。
    訳注:RinkグリップのWebサイトに掲載されていたこのイラスト、ISSFルールブックに掲載されているイラストよりずっとわかりやすい(各部分の数字が何を意味しているのかが明瞭)ということで、多くの人が(公式ルールではなく)こちらを参考にしていました。

    最初にこれを見たときはグレーゾーンを減らすためのルール変更だと思っていました。実際、ISSFワールドカップツアーで「これ、どうなんだろうなー」って思ってしまう奇抜なものを見たことがあります。しかし驚いたことに、私が所有しているほぼ無加工のグリップのいくつかは、新ルールでは違反となってしまう箇所が少なくとも1つ以上あることが判明しました。

    25mグリップはポイント3に適合せず、10mグリップはポイント3と4に適合しませんでした。どちらも1~2年前に購入したRinkグリップです。とくに加工をしているわけじゃありません。買った時のままの状態です。ということは、この新しいルールが設定されることにより、多くの人が影響を受けるはずです。

    ポイント3に関しては、グリップの角度によって違反になったりならなかったりすることがあると思います。自分のRinkグリップを見ると、どちらもわずかに上向きに湾曲しているので、注意すべき点かもしれません。

    新しいルールが設定されてからもある程度の猶予期間があると思いますが、私は1月3日から始まるISSF公認競技に参加する予定があるので、できるだけ早めに対応策を取っておきたいと思っています。幸いなことに、10mグリップにはあまり調整が必要ありませんでした。空撃ちの際には、むしろ良い方向に変化しました。

    なぜそんなルール変更がされたのか、理由についてどこかで説明されてたりしますか?(6ストリング)

  • >なぜそんなルール変更がされたのか、理由についてどこかで説明されてたりしますか?
    ISSFからの公式発表はまだ見ていませんが、新しいルールが制定されたら何らかの声明が出ることを期待しています。

    しかし、おそらく彼らが対処したいと思っている問題が何かということについては、想像がつきます。これは2025年のワールドカップの放送からのスクリーンショットです。(改正前の)2025年のルールにおいて、なぜこれがルール違反でないとみなされたのか理解できません。(フォンカスタ:スウェーデン、ヴァドステーナ)

  • 私が理解できないのはルール4(ヒールレスト後端部の角度)です。ここをルールに適合するように切断したり調整したりすることで、銃の取り扱いにどのような変化が生じるのでしょうか? 考えられる唯一の影響は、木材の耐久性が低下し、場合によってはひび割れる可能性があることです。……もしかしたら私はこのルールを正しく理解していないのかもしれませんが。(グランドライフル)
  • Rink社はウェブサイト上の画像を修正し、背面サポートの傾斜角度がバレル軸に対して0度より大きい(常に下に傾いている)必要があることを示すようにしました。(フォンカスタ:スウェーデン、ヴァドステーナ)

  • もうこうなってくると非公式な「第三者」の説明に頼るのではなく、ISSFが公式にちゃんとした図を発表するのを待つべきでしょう。(ロカダ)
  • >公式の発表を待つべき
    公式ルールブックは既に発行されており、2026年1月1日から有効です。ISSFがこれ以上なにか説明するとは思えません。一番最初に投稿したRinkグリップによる情報が修正され、ルールの解釈方法をより分かりやすく示すものになっていたことをお知らせしたかっただけです。(フォンカスタ:スウェーデン、ヴァドステーナ)
  • 新ルールでのピストルグリップに関する数多くの変更点について、そのほとんどは理解できますが、パームレスト後端の30度の角度制限という変更部分だけ理解できません。これには、いったい何の効果があるのでしょうか? どのようなルール違反を防ぐのでしょうか? ルールには、「グリップが手首より先に触れてはならない」と既に明確に規定されています。触れない部分の角度がどう関係するのでしょうか? 私がこれまで見てきたグリップはどれも、少なくとも直角になっています。

    また、この「30度」というのは、グリップ本体部分まで完全に切り落とさなければならないのでしょうか? モリーニCM200でそれを行なうと、電子基板やバッテリーの一部が切り落とされてしまうため、それを実行することは不可能だと思います。(グリッピー)
  • >パームレスト後端の30度の角度制限という変更部分だけ理解できません。これには、いったい何の効果があるのでしょうか?

    あの部分をそのくらいの角度にすると、「グリップが手首の骨より手前の腕に接触していない」ことを、見るだけで疑いの余地なく判断できますが、現状ではそうではないんですよ。Googleで検索すると、たくさんの「これ、怪しいんじゃないかな」って例が見つかると思います。カメラアングルや照明の関係で、手首より手前に接触してるのかしてないのか、どうにも判別しにくい事例が多いのです。この点は、ピストルグリップのルールに関してオンラインでよく見かける不満の一つなので、このルールは絶対に必要だったと思います。

    なお切断しなければならないのはパームレストだけで、電子基板が入っているグリップベースは無加工でも大丈夫です。(KZMNT)

  • 「カメラにどう見えるか」が、なぜそんなに重要なのでしょうか? そのために銃器検査があり、直接間近で判断できるのではないでしょうか? ピストルが箱に収まるか、トリガーの重さが保持されるかどうかは、遠くからでは判断できません。オリンピックで4年に一度見る写真が気に入らないネット警察がいるという理由だけで、すべての現役ISSFピストルシューターにグリップの変更を強制しているのでしょうか?

    また、ルールブックに掲載されているイラストでは、パームレストとそれ以外の部分(グリップ本体)を区別していません。そのため、銃器検査係が合理的に「それは違うものだ」と判断してくれることは、少なくとも私は期待できません。それに、無垢材から切り出したカスタムグリップの場合はどう判断するのでしょうか? もちろんその場合でも、パームレストから三角形を切り取ることは可能だと思いますが、どこまで深く切断すればよいのか、誰が教えてくれるのでしょうか? どこまでがパームレストで、どこからがグリップ本体とみなされるのでしょうか?

    奇妙なことに、私のモリーニグリップのパームレストは「手首」とみなされる最後端まで達していないので、ルールにある角度を実現する最も簡単な方法は、パームレスト後端に素材を追加して延長した上で、少しだけパームレストを削るというやり方になります。(グリッピー)

  • 責められるべきは他の誰かではなく、私たち自身だ。私たちの中には「ズル」をしていた者(テコの原理を利用してグリップの形状が手首のサポートをすることが可能になっていたルールの抜け穴をついた者)がいなければ、何も変える必要はなかったはずだ。(アークトゥルス)
  • 私が危惧しているのは、このISSFによるピストル競技規則の変更点のいくつかは、同じように多くのルール変更による影響を受けるライフル射撃選手が、「自分たちはピストル射手に比べて差別されている!」と不満を漏らすのを防ぐために導入されたのではないか――というものです。

    この「30度パームレスト規則」は、実際には何の役にも立たない規則の好例だと私は思います。この規則によって一体何を排除しようとしているのでしょうか? そして、なぜ20度や45度ではなく30度なのでしょうか?(ロカダ)
  • >この「30度パームレスト規則」は、実際には何の役にも立たない規則の好例だと私は思います。この規則によって一体何を排除しようとしているのでしょうか? そして、なぜ20度や45度ではなく30度なのでしょうか?

    私が思うに、このルールはパームレストと手首の間に十分な隙間を確保するためのものです。グリップの角度が大きいほど隙間は狭くなります。古いLP1では、パームレスト後端が大きな角度を持っていたため、審判がグリップが手首に触れているかどうか、目視で確認するのが難しくなる問題がありました。
    「30度(パームレスト後端が60度)」という数値設定については、パームレストの製造を困難にするほど小さすぎず、それでいて審判の目視確認を妨げるほど大きすぎない、ちょうど良いキリの良い数値に思えます。(ゴーストリップ:ギリシャ、アテネ)

訳注:「古いLP1」の写真がこれです(引用元:https://www.airgunnation.com/)。パームレスト後端が鈍角(90度よりも大きい角度)になっているのがわかります。
  • ISSF 2026のピストルグリップ角度規定に関して、私は個人的に大きな懸念を抱いています。手首のサポートを排除し、公平性を維持するという全体的な目標には賛成です。しかし、数値的な「切断角度」(ホーンの後端で45度、ヒールレストの後端で30度)という部分については、手首が銃をサポートするかどうかということと構造的に関連しているようには思えません。

    手首のサポートは、接触が発生する場所と力の伝達方法によって根本的に決定されるものであり、幾何学的な角度だけで決まるものではないと私は考えています。ホーン後端が45度ルールをクリアしていても手首に接触してしまうこともあれば、その角度が違反となるグリップでも全くサポートにならないこともあります。つまりこれは、その部分の角度を見るだけでは「手首が銃のサポートをしているかどうか」を判断するための指標にはならないことを示唆しています。

    この部分を45度(または30度)にすることによって手首がより見やすくなり、審判が検査しやすくなることが主な正当化理由であるならば、このルールは「スポーツをする上での公平性を保つため」よりも、運営および管理側の利便性を優先しているように見えます。競技規則は、それがどういう機能をもたらすのかという関連性を犠牲にして管理の容易さに過度に偏るべきではありません。また、長年受け入れられてきた「ISSFルールに準拠した」グリップが、ルール変更により今後は大幅な切断を必要とする可能性があることも問題です。

    原則としては賛成ではありますが、これらの角度制限は過剰であり、実際の問題からややかけ離れているように思えます。(セイミツシューティング)

  • >競技規則は、それがどういう機能をもたらすのかという関連性を犠牲にして管理の容易さに過度に偏るべきではありません。

    それもまた、規制というものがもつ本質の一つです。そもそも、以前はホーンやパームレストの縁に関する規則は事実上まったくありませんでした。そんなものは銃に着いていなかったからです。そもそも存在しない部分の角度についてルールを設けることなどできません。とはいえ、「審判の利便のため」というのが、この新ルールによって世界中のエアピストル射手に愛銃のグリップを切断することを強いることの動機として納得のいくものだとは思えない、という点については私も同意します。(KZMNT)

  • 私も同感です。今回の変更は確かに多くの議論を巻き起こしましたが、ピストルグリップをライフル競技におけるシューティングジャケットやパンツに例えるなら、ISSFがルールを標準化して、すべてのピストルシューターにとって公平な条件を整えようとするのは理にかなっています。(セイミツシューティング)
  • ルールが存在すること自体には賛成だが、30度というのはどうにも不可解な数値に思える。もっと明確な説明がなければ、このルールは意味をなさないのではないか。なぜ30度なのか? 仮に「直角にすべきだ」と主張する別派閥がいたとして、それに対して30度の「アンダーカット」こそが適切であると正当化できるなにかしらの根拠はあるのだろうか? 実際のところ、直角であればそれで十分に手首のサポートがどこで終わるかを簡単に判断できる。既にほとんどのグリップで問題ないはずだ。そうなれば、手首のサポートに関するルール変更で影響を受けるのは、限界ギリギリを攻めている改造グリップだけになる。

    ところがこのルール変更は、明らかに手首まで伸びていないものも含め、ほぼすべての「箱出しそのまま」のグリップ、およびわずかに改造されただけのグリップが、破壊的に改造されなければならないものになっている……これは実に奇妙で敵対的な選択だ。新ルールを考えた人たちは誰も、実際に使用されているグリップの大部分がどのようなものか見てすらいないように感じる。

    また、私が見落としていなければ、ルールではそもそも、「手」がどこで終わり、「手首/腕」がどこから始まるかを、(解剖学的に)定義していない。もし本当にこの件に関心があるなら、「手首のサポート」が一体何を意味するのかをきちんと定義しようとするはずだ。手以外で銃を保持するというルール違反をしているかしていないかという重要な要素とは関連性の薄い場所の測定値に、適当な数字を当てはめるだけのルール変更が、良いことであるはずがない。

    ISSFは競技の人気やイメージを気にしているように見える。であるならば、既存の(カジュアルな)競技者全員を疎外するようなルールを作るのは、とんでもない選択にしか思えない。最近エアピストルを買ったばかりの新規会員全員に、「その買ったばかりのピカピカのエアピストルは、そのままでは競技で使えないので、すぐにノコギリで切断しなければなりません」と説明しなければならないのか? グリップを自由に改造することには賛成だが、こんなやり方は許せない。(グリッピー)

  • >30度というのはどうにも不可解な数値

    既存のグリップに比較的簡単にドレメル加工できる角度ということで、その数値が選ばれたのだと思います。90度だと悪用されやすすぎた、手首との接触を曖昧にすることで違反の疑いがあるグリップが増えたという事情があります。そうでなければ、より単純でわかりやすく(また既存グリップへの加工の必要もない)90度にルールを定めたでしょう。この30度という数値を選んだことが実際に正しかったかどうかは、移行期間がどうなるかによります。実を言うと私はもうすでにグリップをドレメル加工してしまいましたが、手のひら側のパームレストの後端の形状変化はたいして気になりません。一番問題になりそうなのはむしろ、ホーンのカットオフ角度のほうです。ワルサーやFWBの射手が、加工できる表面積がほとんどない中でどうやってそれをするのか分かりません。また、審査員やクラブ主催者は、グリップの上部ホーンとして金属フレームを使用しているFWB 65や100については、すべて許可するだろうと思います。

    >ほぼすべての「箱出しそのまま」のグリップ、およびわずかに改造されただけのグリップが、破壊的に改造されなければならない

    これは、モリーニ社のピストル全てに当てはまることで、グリップホーンが40mm以上突き出ているだけでなく、母指球に沿った部分のカーブが上向きになっているピストルの大部分にも当てはまります。現在使用されているグリップの大部分は、何らかの改造が必要になることは避けられません。

    >ルールではそもそも、手がどこで終わり、手首/腕がどこから始まるか(解剖学的に)を定義していない

    そうです、手首の骨です。解剖学的な規則としては、それでも裁量の余地が大きすぎたため、パームレストの終端をより明確にする必要がありました。手の解剖学に基づいてさらに明確化することは困難だったでしょう。少なくとも私には思いつきません。

    >初心者射手に、買ったばかりのエアピストルをノコギリで切れと言わなければならないのか

    正直に言うと、グリップ加工はそれほど急いで行なうべきではなく、しばらく実行に移さないことをお勧めします。いろいろ返信しましたが、あなたのコメントは多くの方が興味を持って読んでいると思いますし、おそらく世界中で共有されています。何をすべきか迷っている人は、少し待って様子を見るべきだと思います。私自身、ホーン後端の45度という角度が実際にどの程度見える必要があるのか少し疑問に思っています。次の競技で審査員に十分かどうか尋ねてみます。

    とはいえ、今まで普通に使っていた道具がルール変更で使えなくなることで感じてしまう疎外感ということでしたら、.22ラピッドファイアが.22ショートの使用を禁止し、それまでは使えていたピストルのほぼ全てを使用不可とする決定がされたとき、世界中のラピッドファイア射手はいったいどんなことを思ったのでしょう。ルール変更がこれだけで済んでよかった――その一言に尽きますが、それでもやっぱり、いくつかの要素が緩和されることを願っています。(KZMNT)

  • 他国では違ったかもしれませんが、私の国では.22ショート競技は非常にニッチなイベントでした。そのため、この影響を受けたのは射撃スポーツに深く関わっている人だけでした。ですが、エアピストルはおそらくISSFピストルイベントの中で最もアクセスしやすく、広く普及している競技種目です。

    ほとんどのピストルではホーンを切断する必要があるのでしょう。面倒ではありますが、少なくともドレメルなどを使って比較的簡単に行うことができますし、どこをどういうふうに加工すべきかという指針も非常に明確に定義されています。

    「30度の問題」で私が最も問題視しているのは、非常に侵襲的で、DIYが難しく、曖昧であるということです。切断しなければならないのは「パームレスト」の部分だけなのか? そうであるのなら、それはどのように定義され、グリップ本体と区別されるのですか? すべてのグリップに、取り外して研磨して元に戻せる明確な可動式パームレストが備わっているわけではありません。私は複数の無垢素材から切り出したカスタムグリップを持っています。可動式パームレストがついていたグリップも今ではパテで固定されています。では、このパームレストのアンダーカットはどのくらいの幅でなければならないのでしょうか?

    >90度は悪用されやすすぎた
    この部分について、私はまだ理解できません……? いったい、それがどのように悪用されるのか想像できません。「90度ではパームレストの端がどこにあるか判断できない」という主張は、私にはばかげているように思えます。文字通り直角なのに、接触点の端がどこにあるか判断できないなんて、どういうことでしょうか?

    >手首の骨です
    ルールの中で、手首の正確な意味について何か指定している部分が見つかりません。「手首の骨」や図などについての言及は見当たりません。単に「手首」という単語が使われています。これは英語を母語とする人にとっては曖昧さがないのでしょうか?(グリッピー)

  • 何十年も使われてきたほぼすべての純正グリップの改造を要求する規則をわざわざ作ったなんて、馬鹿げているとしか思えません。私は大学のチームを指導していますが、100丁近いピストルを所有しているだけでなく、学生の入れ替わりに合わせて様々なサイズや利き手のグリップを幅広く揃えています。規則に従おうとするなら、来年はグリップをのこぎりで切ったり、やすりで削ったりするのに多くの時間を費やさなければならなくなります。射撃場でグリップに大掛かりな改造を施すための工具はないので、グリップを取り外してどこかの修理工場に持ち込むことになります。そんな時間があったら、私はもっと有意義な時間の使い方をしたいですね。

    例えば、モリーニのコンパクト162EIが6丁あり、予備のグリップが8~10個あります。モリーニ162は、グリップを本体に固定するネジのうち一本はホーンを貫通する設計になっています。ホーン部分をかなり短くする必要があるわけです。まだ詳しく計測したわけじゃないのですが、ボルトの頭が突き出る程度で済めばラッキーで、最悪の場合はボルト穴を再加工して短いボルトを買わなければならないでしょう。

    3月に開催される全米大学選手権では新ルールは適用されないとのことですが、2027年には適用される見込みです。彼らが正気に戻ってこの混乱を収拾してくれることを切に願っています。(Gホワイト:マサチューセッツ州)

  • ISSF規則の趣旨は、ピストルグリップが射手の手首を支えたり、手首に接触したりしてはならないということだと理解しています。私の解釈では、グリップが工場出荷時の状態(そのままの状態)であっても、実際に選手がピストルを握った際に手首を支えている場合は、規則違反とみなされるべきです。

    この画像は2026年1月にスロベニアで開催されたISSF国際大会のYoutube動画からのスクリーンショットです。この角度から見ると、グリップが選手の手首を支えているように見えます。しかし、グリップが装備検査に合格し、検査シールが貼られているのも見えます。この動画は、「ルール」というものが持つ矛盾を示唆しています。グリップの寸法や角度だけを規制しても、選手が実際にピストルを握った際にグリップが機能的に手首を支えてしまうということは防げない、つまり根本的な問題は解決されないということです。

    このため、銃器検査ではグリップの形状についてアレコレ指標を定めてその数字に頼るのではなく、選手が実際にピストルを握った状態での目視検査と機能検査をより重視すべきだと私は考えます。もちろん、グリップの形状と角度は依然として重要であり、その重要性を否定するつもりはありません。しかし、射手の手首とグリップの実際の相互作用を評価しなければ、この画像に見られるような状況が今後も発生し続ける可能性があります。(セイミツシューティング)

  • 手首の件は何度も議論されてきましたが、一体どこから始まったのか、いまだによく分かりません。ISSFの最新(2026年1月)のトップページを見てください。ラトビアの射撃選手が掲載されています。この角度から見ると、サポートが手首の骨をはるかに超えているように見えます。しかしこの形でも検査に合格したはずなので、ISSFとしては「これで問題ない」と考えているのでしょう。(ヴィルツ)

  • 面白いですね、そのグリップはおそらく30度の基準を満たしているように見えます。(グリッピー)
  • パームレストの長さが「手首に触れないこと」という基準を満たしているかどうかは、右側(手の甲側)よりも左側(手のひら側)からチェックする方が難しいものです。これらの多くは、反対側(手の甲側)から見ると全く問題ないように見えます。しかし、セイミツシューティング氏が言ったように、ピストルを握っている射手を実際にチェックするために装備管理が必要であることを強調するグリップの最近の例がたくさんあります。

    私も、これはどうだろうと思ってた例があるので画像を掲載します。

    こういったグリップを使う射手が頻繁に見られるようになったことが、新しい規制が作られた理由にならなかったのだとしたら驚きです。このグリップは上から腕を締め付けるデザインになっているにもかかわらず、旧ルールでは完全に合法だったからです。(KZMNT)
  • >上から腕を締め付けるデザイン
    「興味深い」指摘かもしれませんが、その画像は腕を上げて射撃姿勢を取った状態ではなく、射撃の合間に休憩している時のもののようです。確かに腕の上部を「締め付けている」ように見えますが、腕を上げて射撃姿勢をとればそのような状態にはならないでしょう(これはあくまで私の見解です)。(ナンバーワンフォーティーナイナー)
  • これは私が見つけられた中で最もアップになった状態をキャプチャしたものです。画像内にタイトルを残しておきましたので、ご自身で試合をご覧になって、ご自身の結論を出してください。(KZMNT)
  • >ご自身で試合をご覧になって、ご自身の結論を出してください
    動画を確認したところ、(スローモーションで見ると)拳銃を持ち上げた後、腕の上部が全く握られていないように見えました。(ナンバーワンフォーティーナイナー)

「これが、ISSFがこの新ルールを作った理由である」ということが明確に分かる、そのものズバリな情報こそありませんでしたが、なぜここまで新ルールにおいて「グリップと手首(およびそこより後ろ側)の接触」に対してやたらと厳しくなったのか、ということについては十分に想像がつくやり取りを読むことができました。

グリップ形状の変更点は(図にあるとおり)大きくわけて3つですが、その3つとも、「グリップを、あまり後ろに伸ばすな、そして後端部分がどこなのか明確にしろ」という趣旨のものに見えます。なぜそんなことになったのかというと、これまでのルールでは曖昧だった部分を突くようにして「検査時では問題ないように見せておいて、実際に握ると思いっきり手首をサポートする形になってるグリップ」を使用する射手が続出したせいだ、ということが伺えます。

ファイナルの映像がYoutubeで中継され、個々の選手が銃を手にして構えているところがアップで映されるようになって、「あれ? これ駄目じゃね?」としか思えない映像が全世界に配信されるようになりました。その映像を見た人たちは、映像からキャプチャをして共有して「これはどうなんだろう」と問題提起をしたり、またYoutube映像だけでなく報道写真などからも怪しいグリップの使用者を見つけ出して情報共有をしたりするようになりました。
※実際に私のところにも「このグリップってどうなんですか?」って(国際大会の)写真が送られてきたりしたことが何度かあったりしました。

そういった、中継映像を見て「これルール違反だろ」って文句をつける人たちのことを、記事中では「ネット警察(原文ではキーボード・ウォリアー)」なんて呼んでいました。あまり良いニュアンスの単語ではなく、どちらかというと、「安全なところからやいのやいの言うだけで自分は責任を取らない連中」みたいに軽蔑感情を込めた呼称に見えます。しかしここで大事なのはその振る舞いのあり方が美しいかどうかじゃなく、彼らが指摘している内容に検討すべき部分があるかどうかです。

「競技用ピストルのグリップが手首に触れているかどうか」は、そこまで大事なことなのか? はい、そこそこ大事なことです。ピストル射撃というのは、「片手だけで銃を保持し、狙って、トリガーを操作して発射する」というところが、最も難しいところであり、面白いところであり、魅力でもあります。グリップの形状を工夫して手首や腕で銃を支えるような構造にしてしまおう、という行為は、その大前提を破壊してしまいかねないものであり、何としてでも排除しないとならない「チート(ズル行為)」と言えます。

おそらくはチートの排除を目標として定められたと思われるこのルール変更によって、何が起きるのか? このトピック内でも大勢の人が嘆いているとおり、自分のエアピストルのグリップをかなり大胆に切断しなきゃならないという悲劇です。長年愛用していて愛着のあるグリップに手を加えなきゃならないというのも悲劇ですし、念願かなってようやく手に入れたピカピカの新品エアピストルのグリップにノコギリを入れないとならないってのも悲劇です。指導者の立場にあって何十個もグリップを所有してる人にとってはもう物理的な悲劇以外のなにものでもありません。

その悲劇は誰のせいでもたらされたのか? 「現場を知らないISSFの中の人」のせいなのか、「ルール違反っぽく見える写真をネットから探し出して糾弾する正義ヅラしたネット警察」のせいなのか、「ピストル射撃というスポーツの根幹を脅かすようなルール違反を審判からバレないように巧みに行なっていた何人ものトップ選手たち」のせいなのか。

結論めいたものはここでは書きません。そもそも誰かのせいにしたところで悲劇が悲劇じゃなくなるわけでもありません。私たちにできることは、悲劇と向き合い、それを受け入れることだけです。
ああ、仕方がない。ギコギコ(ノコギリでグリップを切る音)。

池上ヒロシ

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池上ヒロシ

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