昨年末に女川駅前にオープンしたシーパルピア女川。タイル張りのオシャレな歩道にデザインを揃えたテナントが並び、まるでちょっとしたショッピングモールかテーマパークみたいな雰囲気。ただ現時点では残念ながら「見た目だけ」に近い。毎年1月、あと時々は3月には石巻を訪れている。最初に行ったのは2012年、震災から1年も経ってれば片付いてるだろうと思っていたら、片付いてるどころかそこらじゅうが泥とガレキに覆われていて、見渡せば1階部分がゴッソリと無くなってる建物がポツポツと建っているという衝撃的な光景に言葉を失ったものだけれど、さすがに5年もすると急ごしらえじゃない恒久的な復興がそこかしこに見えるようになってきた。
やけにオシャレに建て替えられた女川駅、およびその駅前ゾーンもその一つ。昨年の頭にも同じ場所には来たけれど見渡す限りのガレキの山だった。たった一年でこうも変わるのかと驚いた。
昨年の3月に全線開通した石巻線の終着駅になる女川駅。駅のホームは綺麗だけれど周りを見るとまだ復興途中だ。今回の旅行では電車には乗ってないけれど、だいたい1時間に1本ペースで運行しているようだ。
鉄骨・ガラスを多用し、曲線デザインを取り入れたやけにオシャレな女川駅舎。左右対称になってる向かって右側が待合室その他の駅施設で、左側は、1Fがお土産物売り場、2Fがなんと温泉になっている。温泉は1日500円（一度お金を払えば何度でも外出OK）で、1月いっぱいは女川でなんらかの買い物をすれば半額の250円という激安価格。ちょっと狭く、ジェットバスもサウナもないが、物凄い良い湯であった。
駅前の商店街はテナントモール型になっていて、飲食店や土産物売り場、スーパーや理容室や薬局、居酒屋やバーやケーキ屋なんかがテーマパークみたいな感じに並んでいる……のだけれど、その多くはオープン前だったり休業中だったり。「ちょっと、どんな感じで営業したらいいのかわからない」という戸惑いがちらほら。
そんな中、大勢のお客さんと熱気にあふれていたのが、段ボール屋さん。ランボルギーニ・アヴェンタドールをダンボールで忠実に再現した、人呼んで「ダンボルギーニ」のあまりの完成度の高さに各方面で報道され一気に有名になったところ。
決して広いわけではない店内には、そのダンボルギーニがでーんと展示されている。
ライトやバックミラーの鏡面など一部に段ボール以外の素材が使われている部分はあるが、基本的に何から何まで段ボール製。ディスクブレーキやキャリパーまできっちり作りこんであるあたりがマニアである。
後ろから見たところ。ミッドシップならではのリアウインドウから見えるエンジンまで再現してある……のかと思ったけれどさすがにそれはなく、それっぽく印刷した一枚絵でごまかされていた。
外に出てる部分は手抜きなし。リアウイングの取り付けボルトまで別部品で切り出してある。これ全部手作業で切ったのかと思ったらそういうわけじゃなく、そもそもこの会社はレーザーカッター使ってアクリルや段ボールを精密に切り出して作った製品が本来の主力製品なのだとか。なるほど、その技術力アピールって側面があるのね。
そういや、以前どこかでホンモノのアヴェンタドールの写真を撮ったことがあった記憶が……と古いフォルダをひっくり返して見つけた。2012年5月の静岡ホビーショーで、どこかの模型メーカーが展示していたものだ。うむ、言っちゃ悪いがというか当たり前だが、実物はよく出来ている（笑）。
おまけとしてこんなのも。実際にかぶれる「ロボットヘルメット」。
駅前のショッピングモールを真っ直ぐ歩いて行くと、突き当りは柵になっていてそれ以上先には行けないようになっている。柵の先は、盛り土やガレキなどが積み上がった工事中エリアが続き、さらにその先は海。
工事エリアには、津波の直撃を受けて基礎部分ごと引きぬかれて横倒しになったコンクリ製の建物が放置されている。他は片付けてあってもこれだけは残してあるということは、最終的にこのエリアを全部綺麗にした後も、何らかの形で残すことにしているのかもしれない。ちなみに、お土産として段ボール屋さんにて、レーザー切り出し技術を駆使して作られた（段ボール製の）輪ゴム銃を2種類買ってきました。次の「ひたすらシリーズ in 赤羽」にて景品として出しますのでお楽しみに。次回は2月27日、土曜日に開催です。