実銃射撃

伊勢原射撃場ってバス停から近いのね

投稿日:2014年7月15日 更新日:

神奈川県、厚木のちょっと先あたりにある伊勢原には、物凄く立派な、当然お金もかかった射撃場がある。十数年前に一度行ったことがあったのだけれど、その直後にほとんど言いがかりというかイチャモンに近い「鉛公害」の申し立てにより無期限閉鎖となってしまい、ずいぶん長いこと営業していなかった。無事に営業再開したのはつい最近、昨年の春ごろの話だ。

葛飾区から見ると東京を縦断しなきゃならないようなところだから「凄く遠い」というイメージがあったのだけれど、調べてみたら電車を使うと、亀有からだと乗り換えがたった1回で伊勢原駅まで行けることがわかった。その乗り換えもホームで降りて反対側、向かいに止まってる電車に乗ればいいだけという、感覚的には「電車で一本」に近いものだ。駅からはバスを使うことで、射撃場のすぐ近くまで行ける。長瀞射撃場の時と違って、こっちはけっこうガチで「歩いてすぐ」な距離にバス停があって、ライフルの人でも普通に荷物担いでバス停から歩いていたりするようだ。

電車で一本といっても、クロスシートでもボックスシートでもない普通の通勤車両に2時間ちかく座りっぱなしというのはけっこう疲れるものがあるのだが、自分で車運転して都内の渋滞を抜けていくよりはずっと楽だ。バスは1時間に1本どころか1日に5本しかない超ローカル路線だが事前に時間を調べておけば問題ない。

伊勢原射撃場はクレー射撃、大口径ライフル射撃、小口径/エアライフル射撃とありとあらゆる「日本でできるスポーツ射撃」に関する施設が揃った総合射撃場。なんでも日本では極めてマイナーな種目である装薬ピストル(フリーピストル以外)の施設もあるのだとか。その中でも、SB射場とエア射場はバス停に最も近い位置にあるのが有り難い。最後に少し坂を登るが、だいたい徒歩5分くらいで到着する。

SB射場とエア射場がシームレスに横に並んでいるのがこの射場の特徴。ビームの施設も特に隔離されておらず、エア射場で普通に並んで撃っている。射撃場の入り口(受付)を1Fとすると階段を登った2Fに射撃場があるが、車で少し坂を登ると射撃場のすぐ後ろに車を横付けできる。車いすの射手や、そうでなくても大きな荷物がある場合などはここからとりあえず搬入してしまってから自動車を駐車場に移動しておく、みたいな使い方になるのだろう。まあ、ピストルの場合は小さいカバン一つで全部足りてしまうので搬入の手間なんかないのだけれど。

SB射場の方は電子標的になっているが、エアの方は残念ながら紙的。とはいっても手動ではなく電動交換器が全射座に設置してある。ターゲットは十分に明るく照らされていて狙いやすい。写真だと手元が少し暗い気もするけれど、これはターゲットが明るいから相対的に暗く見えるだけで実用上は全く問題ない。

ただ、他の射場に比べると少し机が低い気がする。机の上にガンケースを置いて、その上に銃や弾の缶を置くことでなんとか違和感なく使える高さになった。

標的交換器は、床にネジ止めしてある。床の中にネジ穴が埋め込まれていて、そこにボルトで台座を締め付ける形だ。通常は、標的の少し右側に設置してある。圧倒的多数を占める「右利きのライフル撃ち」にとって使いやすいのがその位置だからだ。しかし左利きのライフル撃ちだとか、右利きのピストル撃ちにとってはその位置だと背中側になってしまって扱いづらい。

その場合は射撃場の人に頼むと、工具を持ってきてくれて交換器を右から左に付け直してくれる。ちゃんと左側の位置の床にもネジ穴は埋め込まれているから大丈夫だ。

これだけ立派な射撃場を11年間もの間、何にも使わずにほったらかしにしてあったっていうんだから、もったいない話だ。もう再開なんか無理だ諦めよう、みたいな話を聞くことすら珍しいことではなかった。きっと、いろんな方面でいろんな人達が苦労した、その成果なのだろう。兎にも角にも再開したことはめでたい。総合射撃場としてはおそらく関東圏で唯一の、現実的な範囲で「電車・バスで行ける射撃場」なわけで、都心部では物凄い勢いで増えているという自動車を持たない層でも気楽に射撃を楽しめる場としてどんどん活用していってもらいたいものだ。

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