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第53回・静岡ホビーショー(後編)

投稿日:2014年5月20日 更新日:

クラウンモデルの新製品

ホビーショーに出店しているエアガンメーカーは東京マルイの他はもう1社、クラウンモデルがある。10才以上用の低価格ボルトアクションスナイパーライフル「スーパーライフルU10」、銃身までプラスチックの低価格ながら意外にも高性能を発揮してヒット作となった「ELEX9」など、ニーズが多い割にあまり他メーカーからは出ていない分野で面白い製品を数多く出している。

今回の新製品は、イギリスが開発した軍用スナイパーライフルであるL96A1をモチーフとしたボルトアクションライフル、「TYPE96」だ。

クラウンモデルの新製品、TYPE96。10才以上用の「JUNIOR」、18才以上用の「SENIOR」の2種類がある。価格はJUNIORが12,800円、SENIORが13,800円の予定とのこと。

マウントレールやサイレンサー取り付け用のネジなど、オプションを取り付けるためのベースを備えているのが特徴。スコープ、バイポッド、サイレンサーは専用のものが後日発売予定とのことだが、レール幅やスコープのネジピッチなどは一般的な20mmレール・14mmネジになっているので市販品がいくらでも流用できる。

ストック下に短い20mmレールが付いているので、20mmレール対応型のバイポッドならなんでも取り付けることができる。

20mm幅のマウントベースがあるので市販のスコープを無加工でそのまま取り付けられる。ストックの形は変わっているが、メカニズムは基本的にスーパーライフルU10(つまり、懐かしのスーパー9)と同一。銃身の根本にあるダイヤルはHOP調節ダイヤルだ。

銃身の先端を取り外すと、サイレンサー取り付け用のネジが現れる。ネジはエアガン用サイレンサーの規格として最も一般的になっている「14mm逆ネジ」。市販されている多くのサイレンサーがそのまま使える。いちおうクラウンモデルからも、サイレンサー、スコープ、バイポッドが発売予定とのことだ。

なんかこんな可愛らしいカラーバリエーションも展示してあった。

OPTION No.1の新製品

電動ガン用の超小型バッテリーの一種である「Li-Poバッテリー」。全国のエアガンショップで販売されているLi-Poバッテリーには大きく分けて2つの供給元があるが、その片方がOPTION No.1だ。基本はハイエンド系のラジコン機器メーカーなのだが、電動ガン関連パーツも多く、バッテリー以外にも電気系のカスタムパーツなども販売している。今回の注目は電動ガン用の電子トリガーシステムだ。

電動ガン用電子トリガーシステム。メカボックスとバッテリーの間にマイコン制御のFETを挟むことで、トリガーのレスポンスや一度トリガーを引いて撃てる弾数(バースト射撃)などを制御できるというもの。他にもバッテリー残量表示や、バッテリー切れ間近になったときの自動警告機能なども備えているとのこと。価格・発売日は未定だが、「売るとしたら5000円前後になるんじゃないかなあ」とのこと。

こちらは電動ガン用のブラシレスモーターシステム。普通のモーターは、外側に永久磁石、内側の周る部分が電磁石になっていて、回転する度に電磁石に繋がるプラスマイナスが入れ替わることでモーターが回転するという仕組みになっている。単純なしくみだけれど、電気が通る部分に激しくこすれあうパーツである「ブラシ」があるため、摩耗したり劣化したりするのは避けられないという欠点がある。ブラシレスモーターはその逆で外側が電磁石、内側の回転する部分が永久磁石になっていて、モーターの回転軸がどの位置にあるのかを常にセンサーで検知し、適切な形でトルクを与えるように外側の電磁石に流れる電流を制御することでモーターを回転させるというもの。仕組みは複雑になるため価格は高くなるが、ブラシが存在しないため耐久性が高く、音も静かで効率が良いというメリットがある。

電動ラジコンカーの世界で使われるようになって一気に普及したブラシレスモーターの技術を電動ガンに応用したものである。発売は7月ごろを予定、価格は「だいたい2万円程度」になるとのことだ。

「モーターをマイコンで制御する技術」の応用で、こんな製品も展示されていた。レールの上をターゲットが左右に動くものだが、動くスピードやタイミングを任意に変更できる上に、ランダムにちょこまかと動きまわるなんて設定までできる。

トミーテック・LittleArmory

模型サイズの銃というのはこれまでにもいろいろなメーカーから発売されてきたが、その多くは1/6スケールのものだった。GIジョーに代表される、いわゆる「アクションフィギュア」と呼ばれるジャンルが身長12インチに統一されていたため、それに合わせたスケールとしては1/6くらいがちょうどいいサイズだったのである。

ただ、最近それよりさらに小さいフィギュアが発売された。製品名を「Figma」という。大きさとしてはGIジョーのおよそ半分、1/12スケール。特徴は、関節の可動箇所や可動域が多いのにも関わらず、動かしても関節部分にあまり大きな段差や継ぎ目が現れず、「人形っぽさ」みたいなものが少ないことだ。裸の素体の上に布で作った服を着せる従来のアクションフィギュアと異なり、着ている服や甲冑類も含めて立体化されており、ポージングの自由さと、実際にポージングさせたときの身体のラインの自然さから大きなヒット作となり、数多くのキャラクターが製品化されている。

TOMYTECから発売されている「LittleArmory」シリーズは、その1/12スケールのフィギュアに合わせたミリタリーグッズのシリーズだ。第1弾となるM4A1が発売されたのが今年の3月というから、まだ世の中に出てホヤホヤの新製品群ということになる。

組み立てて塗装したものを、実際に1/12フィギュア(これはFigmaではなく、アゾンインターナショナルの「アサルトリリィ」)に持たせたもの。爪楊枝の先のような細くて細かい部品まで精密に再現されている。ACOGサイトの集光アクリル部分や亀の子で載せられているドットサイト、レールハンドガードに取り付けられたPEQ-15なんかは虫眼鏡で見ないと分からないレベル。しかもこれ、一体成型じゃなくちゃんとレールにつけたり外したりできるのだ。

奥のほうにあるのが第2弾として発売されたM240B。ランナーごとに簡単な色分けがされているので無塗装で組み立ててもそれなりに見栄えはするが、やはりこんなふうにちゃんと塗装したほうが格好良くなる。

第3弾として発売されるSCAR-Hを、銃用持ち手を使ってFigmaに持たせたところ。LittleArmoryは完成品として販売されるものではなくプラモデルなので、製品パッケージの中には右写真のようにランナーに入った部品がバラバラに入っている。こんな小さいのに、アッパーとロアレシーバー、バレル、グリップ、マガジン、ストック、バットプレートなどが全部別部品になっている。

SCAR-H、M82A2、Mk18Mod0、M240Gと続々と発売される。基本的には普通のプラモデルと同じ素材だが、マガジンではなくベルトリンク給弾になるM240Gでは、たわみなどを表現しやすくするためにベルトリンク部分だけにPVCという柔らかめの素材を使っているそうだ。

当然のことだが、スケールが同程度なら別のフィギュアやドールに持たせることもできる。これはFigmaではなく「アサルトリリィ」というシリーズ。ドールの世界ではハイクオリティで定評のあるアゾンインターナショナルというメーカーの製品で、衣服や装備類は本当に布を裁断して縫製して作ってあるところがFigmaとの大きな違いだ。

ホビーショー、とりあえず銃に関係するところはここまで。次回「番外編」では銃とかトイガンとか以外の、面白そうなところをピックアップする。

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