実銃射撃

試合の後、とんぼ返りで銃検

投稿日:2007年4月23日 更新日:

朝霞で全国春季ピストル。

予定では月初めのプレートマスターズ・チャンピオンシップ(オモチャ銃での試合)が終わったら練習に入るつもりだったのだけれど、自宅レンジまで作っての猛練習にもかかわらず惨敗してしまい、そのショックでどん底まで落ち込んで立ち直れず、結局簡単な据銃練習をしたていどで参加。まあ案の定というか、箸にも棒にもかからないような結果でした。

その後、とんぼ返りで帰宅しもう1丁の鉄砲を抱えて警察へ。毎年恒例の春の銃器検査です。もうほとんど終了しかかりのところにお邪魔する形になったので、書類を書きがてら警察の人たちとお話……というか、質問責めでした。ここらへんは競技銃の所持者があまり多くないらしく、どうやって撃つのか、銃身はどれか、距離はどのくらいか的の大きさはどのくらいか、レーザーサイトとか付けられないのか、等々。

「明日は検定なんですよぅ。当たらないんですよぅ」と嘆く皆さん。木場の術科センターでの射撃訓練&試験なんですね。好きで撃ってる我々にとっては羨ましい限りですが、仕事でとなると話は別のようです。

銃は、とりあえずこの所轄ではニューナンブを皆さん使ってるとのこと。私はさすがにニューナンブを撃ったことはありませんが、アメリカに行ったときに日本警察の方々の銃とはどんなものかを実感しておこうと、S&WのJフレームリボルバーのスナブノーズを撃ってきました。これがまた良く当たること。SAはトリガー軽いし、DAでもハンマーが落ちる直前でシアが当たる感覚がダイレクトに分かるのでそこで止めてねらい込めばSAで撃つのとほとんど変わらないし。20ヤードでこぶし大。空き缶を外さないどころか、空き缶のどの場所を狙うかによって当たった後の飛び方を操って遊べるほどです。

ニューナンブはS&Wよりも精度は高いと聞きます。誰だ、警察の銃は精度が悪い、撃っても当たらないとか言った奴は。俺の前に連れてこい、ってくらいの勢いです。私は空気の読めない男です。しかも試合後で精神的に疲労しており、「言って良いことと悪いことを頭の中で吟味して、悪いことは言わないでおく」というセーフ機構が上手く働いていない状態です。上記のような内容をそのまま話してしまいました。「俺の前に連れてこい」の部分までそのまま。ちょっと空気が微妙に。

でも、的を撃つだけならいくらでもこいだけれど、実際に人間相手に撃つとなると話は別だろう、怖いとかそういうレベルの問題じゃないし。皆さんが頑張ってくれてるおかげで私たちが安全に日々を暮らせるんです、本当にありがとうございます、と一生懸命フォロー。

その後、さらに話を聞くと、かなり警察の射撃訓練って要求されるレベルが高いということがわかりました。遠距離でブルズアイターゲットをSAで時間かけて狙う(もちろん片手射撃)ものもあれば、ホルスターに入った状態から「始め」の合図でホックを外して銃を抜き安全ゴムを外してDAでマンターゲットに撃ち込む、なんて実戦的な訓練まで。

聞いて驚いたのは、マンターゲットの点数配分です。スピード系の、いわゆる実戦風射撃競技をやってる人なら分かると思いますが、マンターゲットは普通は「頭や体の中心線」に当てる練習のためのものです。バイタルゾーンという言い方をしますが、「確実に対象の行動を止める」ことが撃つことの目的である以上、体の中心線をとにかく狙うのが基本です。頭の中心、体の中心がもっとも点数が高く、腕や手、肩などは点数配分が低いのが一般的です。

ですが警察用のマンターゲットは逆です。狙うのは肩、腕、そして一番点数が高いのが手。頭の中心は、もっとも点数配分が低い場所なのだそうです。対象の生命を可能な限り尊重し、手に持った武器を落とさせることを目的として射撃するのだそうです。

でもねえ。実際の現場では武器を持って暴れる犯人がいれば、まず間違いなくその武器は振り回されてるでしょう。狙って当たるもんじゃないですよ。装弾数も多いわけじゃないんだし。そもそも発砲せざるを得ない状況になってなお「でも、できれば殺さないでね」ってのは、無理でしょう。二次被害を防ぐためにも、「撃つからには確実に行動を止める。その結果、対象の生命が失われたとしてもそれは許容すべきことである」という考え方をしないと。現実を見ずに、現場に実現不可能な高い要求をするというのは百害あって一利なしだと思うのですが、どうでしょうか。

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