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— TEAM JAPAN (@TeamJapan) August 3, 2024
2024パリオリンピックも終盤に近づいてきました。ライフル射撃の種目(※)も、残すところあとひとつ、ラピッドファイアピストルだけとなりました。
※:ピストル射撃はライフル射撃の一部門という扱いになっています
日本からは、京都府警所属の吉岡大選手が出場しています。メダルの可能性があるかどうか?ということなら、「十分にある」と自信をもって回答できるくらいの実績をもつ選手なのですが、だからといって確実にファイナルに残ってくれるかその期待は大きいのか賭けるかお前って言われると……。それは吉岡選手がどうとかじゃなく周りが凄すぎるから、それと射撃ってのは何が起きるかわからないからです。射撃に限らず他のどんなスポーツでも同じかもしれませんが。
ラピッドファイアピストル、5連発のセミオートピストル(昔はリボルバーを使っていたこともあるそうです)で、横に5つ並んだターゲットをものすごい勢いで立て続けに連射していき、その中心にどれだけ正確に当たっているかどうかで競うものです。1984ロスオリンピックにおいて、日本の蒲池猛夫選手が金メダルを取っています。この金メダルが、現時点では日本の唯一の射撃金メダルとなっています。
使用する弾だとかターゲットの大きさや形などについては時代によって変遷があります(詳しくは上記リンクの記事を参照)が、基本的なところ、「短い時間制限で数発を横に並んだターゲットに撃つ」という点は、近代オリンピックが始まって以来ずっと変わっていません。オリンピックの数ある種目の中でも、最も歴史が古い種目といえます。
予選
予選では、「8秒以内に5発」を2回、「6秒以内に5発」を2回、「4秒以内に5発」を2回、これを1ステージ(30発)として、2ステージ(60発)の合計点で競います。標的は、女子25mピストルの速射ステージで使うものと同じですが、同じターゲットに5発撃ち込むのではなく、横に5つ並べてそれを順番に撃っていくというのが大きな違いです。
大きなターゲットを横に5つも並べますので、場所を食います。他の競技なら1人あたり1mとちょっとくらいの横幅があれば足りますが、それがざっと5人分は必要になるということです。それもあって、決勝(ファイナル)進出できる人数は他の競技が8人のところ、ラピッドファイアピストルだけは6人となっています。
ファイナル
ファイナルは4秒射だけで行われます。
予選との大きな違いは採点方法です。予選では、中心に当たれば10点、そこから外れると9点・8点・7点……と減っていく、いわゆるブルズアイターゲット形式で採点しますが、ファイナルでは「中心近くの決まったエリアに当たればヒット(1点)、外せばミス(0点)」という、ヒット・オア・ミス・スコアになります。
「アテンション」の号令がかかってレディーポジション(銃を持った腕を斜め下におろした状態)を取り、その後4秒間だけランプが緑になっている間に銃を上げて5発を撃ちます。それを1シリーズとして、全員が4シリーズを撃ち終わったところで最下位が脱落、その後は1シリーズを終えるたびに1人ずつ減っていって、最終的に1人になるまで続けます。
初めて見る人が「アレ?」って思うところ。それは「同じ的を、2人で撃つ」ところだと思います。さっき書いた通り的を横に5つも並べるので場所を食います。6人全員分を並べたら30個にもなってしまい、とてもスペースが足りません。なのでターゲットは、5つ並んだものを1セットとすると3セットが並べられ、1セットのターゲットの前に2人が並んで立つという形になります。
同じターゲットを2人で同時に撃ったんじゃどっちが撃った弾かわからないので採点が不可能です。なので、ラピッドファイアピストルのファイナルでは「一人ずつ名前を呼ばれて、順番に撃っていく」というちょっと変わったやり方になります。点差がついていたりついていなかったりする場合、同時に撃って結果が後からわかるのではなく、先にどちらかが撃ってその結果を見せられた上で自分の番が来る、という他競技にはないドキドキ感があるのがラピッドファイアピストルにおけるファイナルの特徴といっていいでしょう。
※youtubeにCGとか駆使して分かりやすく仕上げられた解説動画がありました。「ヒット・オア・ミス・スコア」での、ヒットとされるエリアのとんでもない小ささに仰天すること必至です。ラピッドファイアピストルって速射競技って言われてますけれど、間違いなくこれは「とんでもなく制限時間が短い精密射撃」です。