「Aimpointっぽい形をしている小型ドットサイト」とか、「Trijiconっぽい形をしている、外部ファイバーから取り入れた光でレティクルが発行するショートスコープ」など、完全なレプリカというわけじゃないのだけれど形はよく似ている製品をいくつも出している光学照準機器メーカーがノーベルアームズだ。そんじょそこらのレプリカ品との大きな違いが、中身がしっかりしていること。ちゃんと照準機器として使える精度と耐久性を持っていることから、多くのサバイバルゲーマーから「予算にある程度余裕があるなら、まずは購入候補に入れるべき」という高い評価を得ている。日本メーカーならではの「ちゃんとした保証」がついてくることや、初めて光学サイトをエアガンに取り付けて使う人でも大丈夫な、丁寧で詳しい説明書が付属することも魅力だ。
ノーベルアームズが出しているのは「モチーフとなったデザイン」がある製品だけではない。完全オリジナルデザインのスコープやドットサイトもいくつか発売している。2015年に発売された「SURE HIT ACCURA」というドットサイトは、マウントベースから本体まで全部一体となったアルミ削り出しだったり、高機能で便利なドット調光機能(自動と手動の切り替えが可能)が付いていたりと、かなりの意欲作だった。ネットでの評価を見ると概ね高い評価を得ているようだ。まあ、鉄板の人気第一位、トップシェア爆走のT1に比べると二番手に甘んじてしまっているようだけれど……。
ドットサイト分野でのオリジナルデザイン・フラッグシップモデルを目指して作られたのがACCURAなら、おそらくはショートスコープ分野でそれを目指して作られたと思われるのが、今回紹介する新製品「SURE HIT 432 FPS(Fiber Prism Sight)」だ。まずは基本スペックを見ていこう。
SURE HIT 432 FPS
倍率:4倍(固定)
レンズ径:32mm
全長:141mm
重量:427g
パララックスフリー:100ヤード(91m)
アイリリーフ:40mm
作動幅:45M.O.A.
1クリックの調整幅
:10mm@100m(0.34M.O.A.)
耐衝撃:500G
防水:5m/30分
発売:2018年12月
価格:¥27,500円(税別)
まずはなんといっても、とてつもない存在感を放っているオレンジ色の細長い窓について。これは飾りではなく、外光を取り入れてレティクル(中心部分のみ)を発光させる集光ファイバーだ。製品名の「FPS」というのも「ファイバープリズムサイト」というその機能を表すものだとのこと。
電池もなにも使わないから、当然のことだけれどスイッチのON/OFFについて気を使う必要はない。電池切れの心配もまったくない。スコープを覗けば、いつでもレティクルの中心は赤く光っている。光らせたくないときは窓を閉じればいい。実に簡単で単純明快でわかりやすいシステムだ。
SURE HIT 432 FPSについて詳しい機能や特徴をチェックしていこう。
MRSのマウントに関わるボルト用のネジ穴には、全てヘリサートが挿入されている。鉄製のボルトをアルミ製の筐体に直接ねじ込むと、柔らかいアルミが少しずつ削れて精度が悪くなってしまうが、ネジが接してこすれる部分にステンレス製の薄い「雌ねじ」を挿入してあるのでその心配はなく、またネジを締めたり緩めたりするときも回り方が滑らかで、安心して強い力をかけることができる。
調整ダイヤルは、前述のディオプターと、上下左右を調整するためのエレベーション・ノブ、ウインデージ・ノブの3つで全てだ。フォーカスダイヤルなどは付いておらず、パララックスフリーになる距離は100ヤード(約91m)で固定である。エレベーション/ウインデージ・ノブはキャップにカバーされている。調整時にはアジャスト・キーがあると便利だ。
既存製品の良いところ取りをした、非常にクオリティの高い固定倍率ショートスコープ。一見するとドットサイトにも見えるオリジナルデザインがどこまでサバイバルゲーマーに受け入れられるか、全く予想はつかないというのが正直なところ。私は格好良いと思うのだけれど……。少なくても、買って後悔はしないことは確実だ、それだけのクオリティはあるということだけは保証できる。
発売は2018年12月。全国のガンショップや通販サイトなどで販売中だ。