タクティカル系スコープのエントリーモデルとしては、誰もが薦める定番中の定番となっているノーベルアームズのTAC-ONEが新しくなりました。
※写真は量産試作を撮影したものです。市販品とは細部が異なる可能性があります。
手に入りやすくて、そこそこ格好良くて、ちゃんと使えて、値段が安いと良いところづくめのノーベルアームズTAC-ONE。フラッグシップモデルであるSURE-HITシリーズに対して、「廉価版のエントリーモデル」という位置づけにある製品だけれど、目に見えてすごく安っぽいということもない。敢えていうならパッケージが箱じゃなくてブリスターパックになっているところだとか、ノブを回したときの感触が「言われてみれば、ちょっとだけ安っぽい感じがするかなあ?」という違いがある程度だ。
倍率3~12倍でイルミネーション無しの「31244」、2~8倍でイルミネーション付きの「2824IR」、そして倍率1.2~4倍でイルミネーション付きの「12424IR」の3種類があるTAC-ONEだが、その3つめ、「ほぼ等倍」の1.2倍があり擬似的にドットサイトのようにして使うこともできるということで人気の高い「12424IR」が新型になる。基本的なスペックは大きく変わらないが、「付属品」と「スタイル」に大きな変化がある。
新旧比較を交えながら新型TAC-ONEの詳細を紹介していこう。
上が新型、下が旧型。少し角度が変わってしまっているので厳密な比較にはならないが「スタイルの違い」は一目瞭然、まず全長が短いこと、上下調節やズームのノブが「ゴツ」くなっている点が大きな違いだ。
ある程度タクティカル系スコープに造詣が深い人にとっては、TAC-ONE12414IRが「何をモチーフにした」スコープなのかは公然の秘密みたいなものだろう。左写真はナイトフォースのNXS。(倍率1~4倍のものは売り切れになっていたので2.5~10倍のものの写真を
Amazon販売ページから引用)
こちらは、さらにそのネタ元(?)とされるリューポルドのVX-R。1.25~4倍のタクティカル系スコープだ。新型TAC-ONEの「全長の短さ」「ノブのゴツさ」といったデザイン変更が何を目指したものなのかを、この「実物スコープ」を見るとなんとなく察することができる。(写真は
Amazonの販売ページより引用)
旧型TAC-ONEに比べて、よりナイトフォース、あるいはリューポルドっぽさが増した上下左右の調節ノブ。いちおうインデックス(何回転したかが分かる目盛り)も付いているけれどそれほど厳密なものではない。使いこなすよりは「スタイルの一環」と割り切ったほうがいいかもしれない。
1クリックあたりの移動量は1/2MOAと大きめ。低倍率をメインとして使うスコープなので1/4MOAでは調整のたびにダイヤルをぐるぐるぐるぐる回さないとならなくなるということなのだろう。
新型TAC-ONEの特徴の一つが、ハニカムサンシェードが付属すること。対物レンズ前に取り付けて、レンズの反射を防ぐと同時に、BB弾の被弾からレンズを守ってくれるアイテムだ。
ハニカムサンシェードを取り付けたところ。
もともと全長が短いスコープなので、ハニカムサンシェードを取り付けてもそれほど間延びする印象はない。左写真はサンシェード無しの状態。
こちらが取り付けた状態だ。
昔ながらのフリップアップ式のレンズキャップも付属するのだが、スコープそのもののデザインは今風の格好いいものになっているのに、このレンズキャップだけが昭和の香りというか、やけに古臭いデザインなのはなんとかならないのだろうか……。
レンズキャップを取り付けたところ。可能な限り格好良く写るように頑張ったのだけれど、やっぱり「古い革袋に新しいぶどう酒を入れた」感は否めない。格好良さという点ではハニカムサンシェードのほうがずっと上だ。なんということだ、
我が社の製品(レンズプロテクター)の売上に危機が訪れてしまう……!
レンズは当然全てグリーンマルチコート。
スコープ左側面に電池ケースがある。使用電池はリチウム電池(CR2032)が1つ。電池ケースはイルミネーションのON/OFFスイッチや明るさ調整ダイヤルを兼ねている。
スコープを覗いたところ。ハードスケジュール(撮ってすぐ返却)だったので、実際にフィールドに持ち出して風景を見るとどうなるかという写真を撮影する余裕がなく、白い壁を見た写真だけになってしまうが、その点はどうかご容赦を。
イルミネーションを点灯したところ。光るのはレティクル中央のミルドット部分だけで、周囲の太い十字線や鏡銅内は真っ黒なまま。これが「ちゃんとしたイルミネーションレティクル」だ。
スコープの前方に黒い紙を置いてみたところ。手前の明かりが接眼レンズに反射してしまったが、イルミネーションはどこにも反射せずレティクル中央だけが光っているのが分かる。
格好良さ(リューポルドっぽさ)がアップし、デザインが少々アレなレンズキャップを使わなくてもレンズをガードできるハニカムサンシェードが付属する新型TAC-ONE。新たな「入門用の定番スコープ」となるのは、ほぼ確実ではないだろうか。
スペック
倍率:1.2~4倍
レンズ径:24mm
チューブ径:30mm
レティクル:ミルドット(1/2 M.O.A.)
全長:256mm
重量:420g
調整幅:60M.O.A.以上
FOV:1.2倍/23m、4倍/7.1m
アイリリーフ:1.2倍/95mm、4倍/85mm
価格:17,800円(税抜)