世界の名銃BEST100 (別冊宝島 2178)
発行:宝島社
価格:1,620円
発売:2014年5月15日
いわゆる、銃のカタログ本です。今回は掲載する銃の選別から、全部で100丁のうち80丁分の解説文を担当しました。メインライターですって名乗っても、まあ許されるんじゃないかと思います。
こういったカタログ本っていろいろ出てますが、この本の特色としては「銃のことなんか全然詳しくない人でも、ちゃんと面白く読める解説文」という点です。人類の長い歴史の中で、その銃がどんな登場のしかたをしてどういう役割を果たしたのか、あるいは果たしているのかということが短い文章から読み取れるような、そんな解説文ということで発注を受けました。専門用語は完全NG、銃のメカニズムや開発者の名前なども基本的に全く言及しないという極めて厳しい制約があり、思った以上に大変な仕事でした。
「ドラマチックに銃を解説する」という難しい注文、ちゃんと果たせているかどうか、どうか皆さん厳しいご評価を。
あと、この本の面白い点がもうひとつあります。すべての銃に、メインとなる私が書いた解説文の他に、「サバゲー派」「モデルガン派」「ミリタリーアイドル」「映画鑑賞派」の4つの全く異なる視点からの一言コメントが追加されているんですね。普通こういうのってメインライターが全部それぞれのキャラになりきって書くもんだと思って覚悟してたんですが、驚いたことにこの4つの派閥、本当にその系統の人(もう名前出してもいいんじゃないかってくらいの人)に発注して書いてもらったそうです。「ミリタリーアイドル」のところなんか、おそらく全く興味なんかないであろう二次戦時代の銃についてのコメントとか「あー、すげー苦労してそー」ってうかがい知れる涙ぐましいものになってたりしますんで、実はこっちのほうが必見だったりするかもです。





アマゾンのレビューで評価されていますね!
「これ、お前が自分で書いたんだろ」って言われそうなくらい、べた褒めのレビューでビビりました
93ページの解説の「重い銃身で反動を受け止める・・」というのは、どこかからの引用なのでしょうか?地上用の45インチ銃身以外の細く短く軽量な水冷式や航空用の36インチ銃身モデルについてはどのようにお考えでしょうか?または、ショートリコイル作動の銃身後退を大砲の砲身高座と勘違いされてしまっているのでしょうか?他のショートリコイル機関銃に多く見られるマズルブースターによる銃身の強制後退機能についてはどのように御理解されておりますでしょうか?
率直な感想として、一部(バレットM82や旧陸軍の航空用30ミリや37ミリ機関砲など)を除き、反動をできるだけ受け止めずに、力を損じないようにするための銃身後退を、それと全く真逆に「反動を受け止める」という解説がされてしまっている点に、「ショートリコイル式機関銃について実はあまり御理解されておられないのではないか?」と強い疑念を感じ、コメントさせていただきました。
コメントおよびご指摘、ありがとうございます。
「ショートリコイルについて十分に理解し、誰にも反駁を許さないレベルで解説ができる」レベルにないことは認めます。おそらく、世界中にそんな人はいないのではないかと思います。現時点でも、ショートリコイルとは何かということについて、詳しい方々が一歩も譲らない勢いで議論を繰り広げています。論争に加わりたい気もしますが、実験をして自説を確かめるということができない身分ではその資格がないと思い、一歩引いて見ている次第です。
この本は、コンセプト自体が、「銃器のメカニズムについて全く何も知らない人でも、読んでいて面白いと思える内容にする」というものであり、ショートリコイルやガス作動といった用語を使うこと自体が基本的に禁止という状態で各銃の性格や特徴を言い表そうとするため、「厳密に言えば、必ずしも正しいとは言えない表現」というのはどうしても出てきてしまうと思います。それを踏まえたうえで、一点のみ反論させてください。
「重い銃身で反動を受け止める」とは書いていません。「重い銃身そのものが後退して反動を受け止めるという、」と表現しています。違わないでしょうか。違わないかもしれません。ご指摘を読みまして、「反動を受けて重い銃身そのものが後退するという、」という書き方にしておけば、より正しい表現になっただろうと後悔したのも確かです。
ただ、このセンテンスで読者の方に想起して欲しかったのは、本文の上にある写真の銃が作動する風景でした。穴の開いた筒状のパーツから伸びた太くて長い銃身が激しく前後動するその動きを思い浮かべて、「すげーなー!」って思ってもらいたい。その気持ちを汲んでいただければ幸いです。
返コメ恐縮です。
ショートリコイル式機関銃について、そんな議論が繰り返されているのですか?全く知りませんでした!どこかのサイトにその議論があったりするのでしょうか?そんな難しいものではない気がするのですが・・・。たとえば、随分昔の光文社文庫のミリタリーイラストレイテッド14の世界の軍用銃、134.135ページなどに簡単なイラストとともに、ロングリコイルの解説までもが出てたりします。どちらかと言うと年少者向けの本ですが、簡略的確に書かれていると思います。
ショートリコイル式機関銃は、言い方を替えれば、ただ単にそれまでのブローバック式で固定銃身であったのを、銃身可動(浮動式)にして、弾が銃口から出るまでのほんの少しの間だけボルトと銃身をロックさせ、且つボルトを後退させる為の力が銃身との固定でできるだけ損じられないように、ほんの最初だけボルトを銃身ごと後退させているだけの、いわば「銃身浮動式ブローバック」的な事です。
・・・確かに正しくは、「重い銃身そのものが後退して反動を受け止めるという理にかなった~」という風になっていたと思いますが、やはりこの部分には率直に違和感を感じてしまいました。銃身の重さや、後退作動する上での摩擦抵抗は、ショートリコイル機関銃のネックですから、それとは真逆になってしまう恐れのある、「重い銃身」と「理にかなった」という部分がどうしても引っかかって気になってしまいました。前述しました通り、水冷式や航空用の36インチ軽量バレルモデルの存在も然りですし、ドイツのMG13,15,17,34,42,81モデルの銃身の変遷も然りですし・・・。それにしましても、なぜ、かつての光文社の年少者向けの本にさえ書かれているぐらいのレベルの内容なのに、宝島社はそんな言葉の制約を課したのかが不思議ですよね!池上氏の名誉の為にも、あとで宝島社に直に電話かメールで聞いてみようかと思います!
最後に、冒頭にも書きましたが、ショートリコイルに関しての議論というのは、どのあたりを探れば見られるのでしょうか?かつては年少者向けの本にも簡略に書かれていたものがどのような議論になってしまっているのか大変に興味が湧きます。どうかよろしければ御教授いただければと思います。
長文失礼いたしました。
再びのコメントありがとうございます。
ショートリコイルについての議論といいますと、すぐに思い出せるのが日本語Wikiの記述改変合戦ですね。現在でもノートを見ると当時のやりとりを見返すことができますが、最終的には相手の人格否定混じりの口汚い罵り合いに近い状態になってしまっていますので、読んでいて精神衛生にはあまり良くない場所かもしれません。
それと、そこから派生したいくつかの掲示板や、そこにソースとして挙げられている国内・国外のWebサイトやフォーラムなどを読み、現にちゃんと動いていて便利に使われているものに対して、ここまで熱心に議論が繰り広げられる世界もあるのだなあと思った記憶があります。