
競技用の空気銃、エアライフルとかエアピストルに使う弾は「直径4.5mmのつづみ弾で、頭が平らなもの」と決まっています。日本だとほぼ最高級品しか銃砲店では売っておらず選択の余地がほとんどありません。ほぼRWSかH&Nの二択。他にJSBやチャンヤンが少し置いてあるかな、といったところです。
ですが、10mのエアガン競技というのは世界的に見ればけっこうメジャーなスポーツなので本来ならもっといろんなメーカーから色々な弾が発売されています。値段も高いのから安いのまで様々です。
「モノ自体はただの鉛の粒なのだし、法的にそう問題になるものでもないから、個人輸入できないかな?」と思ってしまいますが……。実はかなり厄介なシロモノです。結論から言えば、現実的には個人輸入は無理です。実銃所持者は自分の銃に使うものに限り「少数なら特例として輸入可」という特別措置があるのですが、この「少数」というのがクセモノで、「2個か3個ならOK」というものなのです。空気銃弾って普通は500発入りの缶で売ってますから、「2個か3個」っていわれたらその缶が2個か3個だと思うじゃないですか。そう思って輸入した人が税関で言われたことは、「弾一個単位で数えるので、1500個輸入したうち3個のみ認める。残りの1497個は送り返すか所有権破棄するように」というおよそ信じられない言葉だったのだとか。そんなバカな話があるかと怒りすら覚えますが……お役所ってのはそういうところなのです。
まあそんなわけで、今回は縁がありそうで縁がない「世界のいろんな空気銃弾」の話です。
弾の性能とコストを比較する
引用元:TargetTalk : Pellet performance vs cost
- 今日、私は非常に価値があることを学びましたので、皆さんとその知識をシェアしたいと思って投稿します。
私の地元にあるガンショップのオーナーは、ラピッドファイアピストルでオリンピックへの出場が有望視されている競技者です。先日、私は自分のステイヤーLP-5(訳者注:5連発のエアピストルです。ラピッドファイアピストルの練習をインドアの10mレンジで行えるようにするためのものらしいです。日本では今のところ所持できません)を持ってショップを訪れました。オリンピックトレーニングセンターでIRF(訳者注:想像するにインドアラピッドファイアの頭文字じゃないかと)の練習をしている人たちの間で、この銃がどのくらい使われているかを聞きたかったからです。
話の流れで、以前私が購入したEVO-10の話題になりました。5発撃ち込みのグルーピングにフライヤー(極端に外れる弾着)が生じるクセがあり、私はそれは銃か弾のどちらかに原因があると考えていたのですが、彼は「それは違う」と言いました。
「オリンピックトレーニングセンターでのLP-5を使った練習では、安価な弾から高価な弾までいろいろな弾を撃ったが、弾の値段と実際のパフォーマンスには何の関係も感じることができなかった」と彼は言いました。私が怪訝な顔をしているのに気づいたのでしょう、彼はすぐにターゲットを50フィート(約15m)にセットし、LP-5をパット付きの万力で挟んで、「RWS HOBBY」で5発を撃ってグルーピングがどうなるかを見せてくれた。そこにあるのは、1発だけ撃ったのと完璧に同じ大きさの穴だった。
この出来事から学んだことは、道具ではなくその使用者に問題があるのだということでした!(ミシガン州)
- そのとおり。必要なのは、万力のようなグリップです。(国籍不明)
- それは痛すぎる。(アリゾナ州スコッツデール)
- つい先日、私は使用弾をクロスマンの牛乳パック入り7.4グレインワッドカッターに変更しました。1発あたりのコストが安い上に、所持してるどの銃で撃ってもこれまでより良いグルーピングを記録します。私はオリンピックに出場するということは100%ありえないことです。なのに高い金を弾に消費する理由がわかりません。もっと高い弾を使えば良いスコアが出ると確信できるような何かがあれば、考えを変えることもあるかもしれませんが。(イギリス)
- >高い弾を使えば良いスコアが出ると確信できるような何かがあれば、考えを変えることもあるかもしれません
エアライフルとエアピストルを使ったいくつかのテスト結果があります。10mでH&NSportとFinal Matchを撃ち比べた結果、グルーピングのサイズに大きな違いはありませんでした。RWS HOBBYとMeisterkuglenの比較も同様です。
ただ、試合に出るときにはフィナーレマッチに切り替えるでしょう……単に心の安らぎのためだけですが。(カナダ・ケベック州)
- 私は、自分のMorini 162EIにはRWS Hobbyが最も相性が良いことを発見しました。スカートが広めであることが理由なんじゃないかと思います。確証があるわけじゃありませんけれど、評判の良いメーカーの弾を可能な範囲においてすべて入手て試してみた結果であることは言えます。RWS Hobbyは価格に対する性能という点では間違いなくベストな選択でした。(ノースロンドン・オハイオ州)
- H&Nフィナーレマッチの重い方の弾を貰って自分のLP1で試してみたときの結果は、まさにクソ最悪としかいいようのないものでした。Basicで撃てばかなり良いスコアが出ていたのにも関わらずです。「いったい、どういうことなんだ……」と私は考えました。そして、銃の方を「10」にバージョンアップしてみました。まあ、良く当たること当たること! 不思議なこともあるもんですね!(アリゾナ州スコッツデール)
- 複数のブランドにおいて、缶の中に入ってる弾の重さがどのくらい偏差があるか調べてみましたので、動画をUPします。
ルーマニア語ですが、英語のキャプション付きですし、結果表は世界共通言語Excelです。(ルーマニア)
探してみて見つかったのがこの製品です。KRALEというのは、どうやらオランダに本社を置く大規模なスポーツ射撃専門のショップのようです(画像は画面キャプチャ)。そこがショップ独自のプライベートブランドで販売している弾が「KRALE MATCH DIABOLO」というわけです。ではなぜこのルーマニアの人は、パッケージに書いてない「H&N」という名前でこの弾を呼んでいるのでしょうか。答は続きの投稿にあります。- 素晴らしい動画をありがとうございます。上位2つの間で価格に大きな違いがあるのは驚きの結果ですね!(カリフォルニア州サンノゼ)
- >上位2つの間で価格に大きな違いがある
確かに。私は、H&N KraleはH&N Match Heavyのリブランド品ではないかと疑っています。(ルーマニア)
- >KraleはH&Nのリブランド品ではないか
私もそう思います。私の手元にあるKRALE缶のデザインはあなたの動画にあるものとは異なりますが、裏には「H&N Sport Gmbh」と書かれたシールが貼ってあります。
動画から読み取れるもう一つの興味深いこととしては、最も良い結果(重量の変動が少ない)を出したKRALE弾と、良くない結果(重量の変動が大きいもの)のGAMO弾は、値段を比べると同じ程度(500発入りで約5ドル)であるということですね。(カリフォルニア州サンノゼ)
- 私のKRALE缶の裏にも、全く同じシールが貼ってあります。ちょうど今年になってKRALEはロゴを変えましたが、その時に缶の蓋のデザインも変わったのです。
ただ値段については……私はこれらの弾をルーマニア、ブルガリア、オランダの各地で購入したということもあり、価格比較はしませんでした。(ルーマニア)
- 私はKRALEのウェブショップでGAMOを5~6缶ばかり購入したのですが、KRALE缶はその時にギフトとして同梱されていたものでした。購入する前にあなたの動画を見ていればと悔やんでいます。なお、値段はKRALEウェブショップのものです。(カリフォルニア州サンノゼ)
- Artemis CP1-M(エアピストルの名前)を使用して、グルーピングも計測してみました。FWB100も持ってるのですが、万力で固定する方法がわかりませんでしたので……。
HN Kraleはトップに近い結果でした。Gamoは最悪です。HN Exciteも良い感じです。
ビデオはルーマニア語で、英語のキャプションが付いています。(ルーマニア)
いつも使っている「H&N」や「RWS」にも、銃砲店に置いてある最高級品以外にいくつものグレードがあり、実際に比較してみてもそれほど大きな差はでないものもある――というのは、まあ予想はしていたことです。エアライフルの人だと求める精度のレベルがもともと高いので弾の銘柄の違いによる差が無視できない大きなもの(如実にスコアの差となって現れるもの)になっているのかもしれませんが、ターゲットが大きいピストル撃ちの場合は、「そこまで精度高くなくていいから安い弾ほしいなあ」というのが、自腹で弾を買ってる側としては正直な気持ちでしょう。
ですが最初に書いた通り、弾の個人輸入ってのはほぼ不可能な現状があります。銃砲店さんに期待したくても、面倒な手続きを経て大量輸入したものが従来品と比べて飛ぶように売れる、ってことはちょっと考えづらいですし、ここは現状に甘んじるしかないのかもしれません。
それとは別に、「射撃スポーツ専門の大規模ウェブショップがあり、そこが大手メーカーの弾をプライベートブランドとして激安価格で販売してる」なんてのは、やっぱ射撃スポーツが文化の一つとして定着してるところは違うなーと思わせてくれるエピソードでした。











はじめまして、興味深く拝見させて頂いております。
私フランスで今年度から射撃競技を始めたのですが、うちのクラブでは練習用にはRWSのClubという弾だけ使ってます。ひと箱500発で5ユーロ、精度は文句なしです。
ここでもやはり近くのスポーツ量販店にオリジナルブランドの弾を売っているのですが、屋内10mでは違いは感じられませんでした。値段は同じく5ユーロ。
日本ではコンペティション用の高級なものしかほぼ選択肢がないのですね…そうなると普段の練習も気軽にとはいかなさそうですね。
コメントありがとうございます。
海外射撃スポーツ事情、参考になります。
弾や銃本体や、その他用品類などについて、選択肢が少なく値段も高いというのは日本で射撃競技やってるとつくづく感じます。それでもまあ、銃を所持して撃つということを許してもらえているだけでも感謝しなきゃなと思います。
クレーの装弾ほど高価ではないですが弾は安いほどいいと思います、以前猟用のジェット弾で一文銭をベンチレストスコープ付きで撃ったことがありますが10メートルで見事にワンホールでした。実は昔射撃をしていた人から大箱のジェット弾を入手しました。日本ライフル協会認定の印刷入りの紙箱で粉も吹いておりません。現認定弾ではないので競技使用は不可としても、電子標的化された今の射場なら平頭弾でない弾でも計測は可能と思います。エアソフト弾で重い弾だと集弾は集まります。だとすれば平頭弾でない重い狩猟用4.5mm弾を使えれば弾によるばらつきは一層減るのではないかと思います。素人の考えですがご教示願います。なお古いジェット弾は今の弾とは仕上げが全然違います。
「電子標的なら的にきれいな丸い穴を開ける必要はないのだから、平頭弾である必要もないはず。であるならば、弾道係数に優れていると思われる尖頭弾のほうが命中精度が上がるのではないか」
ということですね。全く考えが及びませんでした……。そこについて突っ込んで考えた人って、競技でエア撃ってる人の中にはまだいないのかもしれません。
つたない英語力を駆使してTargetTalkに投稿してみようかと思います。上手く書けるかなあ……。